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ホーム花ごころメディア旬の園芸レッスン多肉植物の夏越し冬越し。
旬の園芸レッスン
2021.10.26

多肉植物の夏越し冬越し。


問題が起きやすいのは、夏

 太陽が大好きな多肉植物だけに、さぞ夏も好きだろうと思われがちですが、根腐れや病害虫など、問題が生じるのは、たいてい夏。いくら太陽が好きと言っても、日本の夏の直射日光は強過ぎます。梅雨時期など曇りが続いた後、いきなり真夏の直射日光に当てて、葉焼けを起こしてダメにしてしまう人も。ならば、室内に取り込めばいいのでは?と思うかもしれませんが、日光と同様に大切なのは風通し。常に空気が動き湿度が高くならないことが、病気予防にも大切。上田さんの育成ハウスでは、屋根に遮光率50%のネット、常に送風機で風通しがキープされていますが、家庭なら木陰のような場所が最適だそうです。木陰がない場合は、市販の遮光ネットで半日陰を作ってあげてもGOOD。
 また、夏越しで大切なのは、根を熱から守ること。そのためには、熱が篭りにくい土を選ぶことはもちろん、鉢選びも大事なポイントです。多肉植物は、どんな色、形、デザインの鉢でもよく似合います。でも鉢の材質によって、鉢の中の温度は大きく異なってきます。例えば、ブリキ缶など鉄製の鉢と木製の鉢を直射日光に当てて、鉢中の温度を比較すると、20度以上ブリキ缶の方が高くなることも!これは熱の伝わり方が全く異なるためで、できるだけ熱伝導率が低い鉢を選ぶようにすれば、日光や外気温の影響を抑えられ、管理も楽になります。鉢選びはとても楽しいものですが、見た目だけではなく、二重鉢にするなど、材質にあった対策を心がけましょう。

冬、室内に取り込む基準は、気温0度

 多肉植物って寒さに弱そう…実はこれも誤解です!基準は0℃と考えて、冬場もできるだけ日の当たる屋外で管理します。北海道など昼間でも気温0℃を下回る地域では、明るい窓辺など室内へ。また、夜間だけ0℃以下になる場合は、夜だけ室内に取り込んで日中は屋外へ。どちらの場合も、室内でも暖房が効いていない場所を選びましょう(夜間だけなら日当たりは関係ないので、真っ暗な玄関でもOK)。また、屋外では霜に当てないのも大事で、軒下などがベストです。  冬越しでもうひとつ注意したいのは水やり。通常は下葉が少ししな〜っとなった頃に与えますが、冬は水分で葉がパンッと張った状態だと、万が一凍った場合、自ら組織を破壊してグズグズに溶けてしまうことも!冬場の水やりは、下葉が少し柔らかい状態を保つぐらい、少し控えめに行いましょう。

花ごころINFORMATION


暑さ対策はこれで万全
「ルートプロテクター」

鉢の内側に貼ることで、夏の太陽熱により鉢中が高温になるのを防ぎ、大切な根を守ります。強力な粘着力で水にも強く、さらに根が入り込みにくい構造で、植え替え時にも根を傷めません。どんな材質の鉢でも、根が住みやすい環境に変えることができます。手で切り取れるミシン目つきで、サイズ調整も簡単。隙間ができないように貼るのがポイント。


植えた多肉がしっかり根を張るまで固定できる 固まる土「ネルソル」付属
「多肉植物寄せ植えの土」
多肉植物に最適な排水性と保水性のバランスを重視、空気層を確保し熱伝導を低くすることで、暑さによる根へのダメージを軽減できます。水で固まる土「ネルソル」付属。上田さんの生産用培養土がベースなので、植え替えにも最適です。


編集後記

今回の取材先、吉坂包装(株)の大きなハウス内では、無数に並ぶ台の上に多肉植物のポット苗がびっしり!どの苗もキュッと締まり元気に育っていました。でも、その一角には間延びしたり黒ずんだ苗が…。そこは様々な生育条件で実験を行なうエリアで、その結果は全て記録されノウハウとして生かされています。いつもクリエイティブな視点で新しい取り組みを続けている上田さん。今号にはそんな上田さんが実験と経験を重ねて導き出したメソッドが盛りだくさん!初めて多肉を育てる方はもちろん、なぜか栽培が上手くいかずお悩みの方も是非参考にしてください。(菅原)


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