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植物を知れば、もっと咲く!!鉢で育てる「クリスマスローズの1年」
2022.10.03


11月肥料やリスタート/花を咲かせる最大のポイント

 バラの冬剪定が春の開花に向けての1年のスタートとするならば、クリスマスローズの1年は11月の施肥から始まります。言ってみれば11・12月は「肥料強化月間」。この時期に与える肥料は、1・2月に花を咲かせるためのもの。固形の置き肥と液体肥料を、それぞれの肥効期間に合わせて与えます。この時期にきちんと肥料を与えることで、株元では花芽が充実し、年明けの開花へとつながります。肥料やりは5月一杯まで続けますが、11・12月の施肥は花を咲かせるため、開花後の肥料は新しい芽を出し、立派な株に育てるためのもの。同じ肥料を与えるにしても、与える時期によって目的は違ってきます。施肥は植物の生長リズムに合わせて与えるのが大事なんですね。

▲置き肥は肥効期間が過ぎたら取り替えて。液肥は週1のペースで。

12月古葉きり/葉をカットして花芽に光を集中
 夏の間、葉を上向きにして光を集めていた株は、11月頃になると葉が外側に寝てきます(写真❶)。これは株元で花芽が膨らみ始めた証拠で、自ら葉を寝かせ、株元に光が当たるようにわざと仕向けているのです。ならば、不要な葉をカットして、より一層光が当たるようにお手伝いしましょう!というのが「古葉切り」。地際ギリギリのところで、葉を全部切ってしまうのが有島先生流(写真❷)。中途半端に残すとカビの原因になるので注意!こうすることで、花芽は充実し、1月になると花芽がグングン上がって、たくさんの花を咲かせてくれます。


日に当てて開花を促進
 この時期、より日の当たる場所に移動すると、鉢の中の温度も上がり、開花促進につながります。寒い地方では、軒下やベランダに移動するのも効果的。もともと耐寒性が強く、寒さで枯れることは滅多にないけれど、霜に当てない方が花芽の上がりが早くなります。ちなみに、膨大な数の鉢を管理する有島先生の場合、すべての鉢を移動するのは不可能。基本的には一年中同じ場所で管理し、展覧会に出品するなど、開花を間に合わせたい鉢だけ、テラスなどに移動するそうですよ。


華やかな姿を存分に楽しんで
 2月頃はクリスマスローズが一年で最も華やぐ時期。クリスマスローズは、1月から5月頃までと花期がとても長いのも魅力ですが、実は、これにはわけがあります。一般にクリスマスローズの花びらと呼んでいる部分は「萼片」が進化したもので、中心部の小さな部分が「ネクタリー(蜜腺)」と呼ばれる本来の花びら。だから、ネクタリーは散っても、萼弁は散りにくく長持ちするので、長期間に渡って華やかな姿を楽しめるというわけです。

《クリスマスローズの主なタイプ》

購入後の開花株の植え替え
 12月頃から出回る開花株(花つきの株)を購入したら、できるだけ早く2号ぐらい大きめの鉢に植え替えましょう。花が終わる春まで待って植え替えるという人も多いようですが、早く植え替えた方が、根の発育も良くなり、株も早く大きくなります。植え替え後、2週間経ったら肥料やりをスタートしましょう。

タネを除いて株の負担を軽減
 花が咲き進むにつれ、花の中心にある子房と呼ばれる部分が膨らんできます。この中にタネができているわけですが、そのままにしておくとタネに栄養を取られて株に負担がかかってしまいます。タネを採取する以外は、子房は見つけ次第、摘み取りましょう。指でつまんでひねるだけで簡単に取り除けます。


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