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旬の園芸レッスン
2016.10.01

もっと知りたい!ミツバチの こと。

花ごころ旬の園芸レッスン72「ミツバチ目線で、花を育てる」

ここでは、ミツバチとハチミツについての素朴な疑問にお答えします。

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『”ニホンミツバチ”と、”セイヨウミツバチ”の違いって何?』

icona現在、日本にいるミツバチは大きくニホンミツバチとセイヨウミツバチに分かれます。ニホンミツバチは日本の野山に古くから生息している野生のミツバチで、その数の減少が著しいことでも、マスコミでよく取り上げられています。一方、セイヨウミツバチは養蜂を盛んにするために、明治時代に外国から輸入され品種改良されたミツバチのこと。本誌でご紹介したハニーファームさんをはじめ、たくさんのプロの養蜂家が飼育しています。イラストのようなルックスの違いの他、性質にも違いがあり、ニホンミツバチはセイヨウミツバチよりも穏やか。でも、野生児だけに、なかなか人間(親?)の思い通りにならず、すぐにどこかへ行ってしまうことも…。その点、改良されたセイヨミツバチは、人間との関係の中で生きているミツバチ、つまり人間が手をかけてあげることで生きていける生き物です。それに、ニホンミツバチの4〜5倍ものハチミツを集めることもあり、養蜂に向く性質です。

ニホンミツバチ セイヨウミツバチ 違い

『私にもミツバチを飼うことはできますか?』

icona2ページでは「ヨーロッパの庭は、ミツバチの巣箱を置いて初めて完成形になる」というお話がありましたが、自分でミツバチを飼って、自家製ハチミツを味わえたら嬉しいですよね。基本的には、各都道府県に届け出をし、半径2キロ圏内に蜜源となる植物と水場があれば、、自宅の庭でも飼うことは可能です。養蜂を始めるには、様々な道具を揃えるのはもちろん、専門的な知識がなければ難しいのは確か。それに、住宅が密集している場所ではトラブルの原因になったり、ミツバチの巣を狙ってスズメバチが来たりと様々なリスクも…。そして何よりも大切なのは、ミツバチへ愛情をかけ続けること。「ミツバチを飼う」というより「神様の使いをお世話する」というぐらいの覚悟が必要なのかもしれません。でも、多くの困難はあるけれど、ミツバチと共に生きることは、最高の喜びと暮らしに豊かさをもたらしてくれます。まさに「大人の最高の趣味」とも言えます。

『ハチミツの種類はいろいろあるけれど、その違いは?
また、ローヤルゼリー、プロポリスって何?』

icona一般にお店などで売られているハチミツには、レンゲやアカシア、ミカンなど単一の花の名前が付いた単花蜜と、季節ごとのいろいろな花の蜜が混ざってできる百花蜜があります。半径2キロ圏内を飛び回り、蜜源となるお花からせっせと蜜を集めるミツバチですが、なぜ単花蜜のように1種類の花の蜜だけ集められるのでしょう?これは「訪花の一定性」といって、ミツバチは1種類の花から蜜を採り始めると、その蜜を採り終えるまで他の花には決して浮気しないという不思議な習性があるからなんです。一方、百花蜜は何らかの原因で(1種類の花では蜜の分泌が少なかった場合など)、他の花からも蜜を集めてくることで、何種類かの花の蜜が混ざっています。季節によってもその年の花の咲き具合によっても味わいがまったく変わってくるので、味見はドキドキワクワクだそうです。
また、日本語で「王乳」と言われるローヤルゼリーは、その名の通り女王蜂だけが食べることを許された食べ物で、働き蜂が花粉を材料にして体内で合成し分泌したもの。女王蜂は、このローヤルゼリーの栄養のお陰で毎日数千個の卵を産み続けることができると言われています。そしてプロポリスは、同じく働き蜂が樹液などを集め、自分の唾液や花粉などと混ぜて全く違う物質に作り変えたもの。ミツバチはこのプロポリスを巣の内外に塗り固め、その強力な殺菌力によって巣の内部を無菌状態にして清潔に保っています。この抗菌性の高さからプロポリスは「天然の抗生物質」と言われ、大変珍重されています。

INFORMATION今回取材させていただいたハニーファームについて、もっと詳しく知りたいという方は、ハニーファームさんの公式サイトをご覧ください。ハチ育をはじめ、様々な活動に関する情報を知ることができます。もちろん、ハニーファームさんとミツバチたちが作り上げた<世界一美味しいハチミツ>が入手できる直営オンラインショップもあります!

HONEY FARM (一般社団法人ハニーファーム)
〒465-0077愛知県名古屋市名東区植園町3-1-1-316
WEB:http://honeyfarm.jp

編集後記

ブンブンと響く羽音。巣箱の蓋をそ〜っと開け、びっしりひしめくミツバチの中から、女王蜂の姿を確認し、またそ〜っと蓋を閉める…。細心の注意を払いながらくり返すその作業は、想像以上の集中力を要し、あっという間に2時間が経過していました。このメンテナンス体験で実際にミツバチに触れ、これほどにも儚く繊細な生き物が私たちの命を支えてくれていることに、とても驚き感動しました。そして本誌を通じてガーデナーのみなさんに、規模は小さくても花や野菜を育てることが彼らの命の支えになること、ひいては私たち自身の命を守ることにつながるという、園芸の新しい視点をお伝えしたいと思いました。訪ねてくるミツバチのために、1鉢でも小さな花を育ててみようという仲間が増えればとても嬉しいです。(菅原)


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