生長につれ株元が寂しくなりがちなので、見映えも重視したいウェルカムフルーツの場合、寄せ植えでドレスアップしてもイイですね。収穫だけを目的にするなら、植物ごとの性質の違いもあるので、寄せ植えをしない方が無難。でも、あえて寄せ植えにするなら、ローズマリーやナスタチウムなど、丈夫な性質のハーブなどを選んだり、シーズンごとに植え替えることを前提に、季節の一年草を植えてもイイですね。あくまでも主役は柑橘類。栽培環境や管理方法は柑橘類に合わせ、寄せ植えにする脇役の植物は、その状況でも耐えうる性質のものを選びましょう。

一口サイズの小さい実をたくさん付ける花ユズやキンカンは、加工して保存食にしてもいいですよ。花ユズは自家製ポン酢やジャムにぴったり。キンカンは生でも皮ごと食べられるけれど、甘露煮にしておくと、風邪予防やのどが痛い時にも重宝します。自宅で育てた果実なら、皮ごと使っても安心です。

農薬も防腐剤もかけていない自家製ミカンだからこそ、果実を食べた後の皮も利用しましょう。古くから漢方薬の原料に使われてきた陳皮（ちんぴ）は、ミカンの皮を乾燥させた生薬のこと。血行を促進して体を温めたり、冷え性や肩こりを改善したり、女性に嬉しい美肌効果も！粗く刻んで乾燥させたものは入浴剤に、乾燥させてから粉末にしたものは、料理の隠し味や香り付けにも使えます。密閉容器に保存すれば長期保存可能で、さらに冷凍保存すれば１年以上保存できます。

音羽蒲郡ICを下車。左右にミカン畑が広がる、その名も三河湾オレンジロードを脇に入ると、さらに一面のミカン畑と温室が…。ここに今回取材で訪ねた「カンダシトラスファーム」はあります。温室内には出荷前の7号鉢の鉢苗がズラリ！畑には来シーズンの出荷を待つ小さな苗たちが元気に育っています。柑橘苗への情熱に溢れた代表の神田さんのお話は、ネットや本にはなかなか載っていない興味深いものばかり。今回はそんな実体験に基づくお話を織り交ぜながら編集しました。難しく考えず、気軽に鉢植え柑橘を楽しんでいただく手助けになれば嬉しいです！（菅原）

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