フルボ酸は、腐植によって長い年月をかけて作られる有機物。フルボ酸を多く含む土壌は、植物が健全に生長するために、最高の環境を与えてくれます。では、フルボ酸のどんな働きが植物にとって良い効果があるのでしょうか?

「肥料の三要素」として知られている窒素、リン酸、カリは植物にとって主食ともいえるもの。ほかにも、カルシウムやマグネシウム、鉄・亜鉛などのミネラルも植物にとって必要な栄養です。これらをバランス良く吸収することで、植物は健全に育ちます。実はフルボ酸には、これらの栄養素を根が吸収しやすいように維持する働きがあります。例えば、カルシウムや鉄は、土の中のリン酸と結合するとガッチリと固形化してしまい、植物はこれらの成分を吸収できなくなってしまいます。
そこで役立つのが、フルボ酸の「キレート作用」!キレート作用は、一般的にカニの爪と例えられますが、正確にはフルボ酸の分子のスキマに他の栄養素を抱き込むようなイメージ。水に溶けやすいフルボ酸が、ミネラルなどをポケットのように閉じ込めるため、ミネラルがリン酸などとくっついて固まってしまうのを防ぎ、水に溶けたサラサラの状態を保つことができます。つまりフルボ酸は、植物が栄養素を吸いたい時に吸えるようにするのです。


また、フルボ酸はカルボキシル基という手をいっぱい持っていて、肥料成分をしっかりつかんでキープしてくれるので、肥料持ち(保肥力)もよくなります。さらに、多少肥料を与えすぎても、肥料やけをおこしにくくしてくれる効果も。フルボ酸は、植物がミネラルなどの栄養をスムーズに吸収できるように、せっせと働いてくれているのです。



「植物が元気に育つ良い土」と聞いて、どんな土を思い浮かべますか?フカフカでやわらかく、手でにぎるとほろりと崩れるような土ーーーーそんなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?この、フカフカの土のヒミツは、団粒構造にあります。団粒構造とは、細かい土の粒がいくつも集まって、小さなだんごのような塊をつくっている状態のこと。このだんごとだんごの間にできたすき間に、空気や水がほどよく行き渡り、根がのびのびと呼吸できる環境が生まれます。ところが、同じ土でくり返し植物を育てていると、だんごの構造は少しずつ崩れていきます。すき間が失われ、水や空気が通りにくくなると、根が窒息して根腐れを起こす原因にもなってしまいます。では、どうすれば団粒構造を守り、土のフカフカを取り戻せるのでしょうか?そこで活躍するのが、フルボ酸です!
フルボ酸は土の中で「のり」のような役割をして土の成分と結びつき、まずは小さなだんご(ミクロ団粒)をつくります。さらにフルボ酸は、土の中の微生物のエサとなってその働きを活発にします。こうして元気になった微生物が、小さなだんご同士をまとめて、大きなだんご(マクロ団粒)へと育てます。つまり、フルボ酸は土の団粒化を内側からサポートする、縁の下の力持ち。植物が根を張りやすい、生き生きとした土づくりを、目に見えないところで支えているのです。



アジサイの花が、土の酸度(pH)によって青くなったり赤みを帯びたりするのは有名ですね。植物には生育に適したpHがあり、一般的には弱酸性(pH5.5〜6.5)が良いとされています。市販の培養土もこの範囲に調整されていますが、植物を育て続けるうちに、土壌は少しずつ酸性に傾いていきます。さらに、肥料を与えるたびに肥料に含まれる酸やアルカリ物質の影響で、pHが上下に変動します。pHが乱れると、植物の根は大きなストレスを受け、養分の吸収がうまくできなくなるなど、生育に悪影響を及ぼすことがあります。石灰やピートモスを使ってpHを自分で調整するのは、慣れるまでなかなか大変な作業です。
そこで頼りになるのが、フルボ酸。pHとは土の中の水素イオン(H+)の濃度のことですが、フルボ酸は水素イオンを吸着する力にとても優れています。水素イオンの濃度が急に変わるのをフルボ酸がしっかりと抑え、pHの急激な変動から植物の根を守ってくれるのです。いわば、土のpHを安定させるクッションのような役割を果たしています。こまめなpH管理に自信がない方も、フルボ酸の働きが土の環境をそっと整えてくれますよ。pHの安定まで担うフルボ酸は、まさに土づくりの心強い味方といえるでしょう。



人がおいしいと感じるアミノ酸ですが、実は植物にとっても「おいしい」成分なのをご存じですか?植物は光合成して糖を作り、硝酸という窒素を肥料として吸収し、エネルギーを使って糖と窒素をくっつけてアミノ酸を作ります。しかし、はじめからアミノ酸の形で吸収することで、この合成プロセスをショートカットでき、植物はたくさんのエネルギーを使わずに生長できるのです。そんなアミノ酸、実はフルボ酸との相性抜群!アミノ酸とフルボ酸を一緒に与えることで、フルボ酸がミネラルを流れ出にくくし、しっかり吸収を助けてくれるという、相性のよさがあります。さらにフルボ酸がアミノ酸の運搬を助けることで、日照不足や低温などのストレス下でも効率よく栄養が行き渡り、植物が元気に育つのです。
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