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植物を知れば、もっと咲く!!鉢で育てる「クリスマスローズの1年」
2022.10.03


来年の花つきのため思い切って切る
 次々に咲き続けた花も、3月後半になると徐々に色褪せてきます。前述した通り、一般にクリスマスローズの花びらと呼んでいる部分は、萼片と呼ばれる葉っぱに近い性質のもの。だからなかなか散ることはないけれど、だんだん緑色になってきます。いつまでも花を残しておくと、来年の花つきに悪い影響を与えるので、どこかで見切りをつけてカットしましょう。花柄切りの方法は、花がついている茎をすべて、地際ギリギリのところでハサミでカットするだけ。こうすることで、来年花を咲かせる新しい芽の発育が促されます。

勢いがある時期こそ植え替えの好機
 植え替えが必要かどうかは、水やりの際に、ウォータースペースの水の溜まり具合を見て判断するのがベスト。なかなか水が染み込まないのは、根が回ってしまっている証拠です。大抵の場合、2~3年に1回行います。植え替えの適期は、3月中旬から4月中旬頃。クリスマスローズが一番勢いのあるこの時期なら、少々荒っぽいことをしてもすぐに復活してくれます。株を大きくしたい場合は、一回り大きな鉢に植え替えし、そのままの大きさを維持したい場合は、根を半分ぐらい切り落として、同じ鉢に植え替えましょう。尚、株分けもこの時期に行うのがベストです。ちなみに、クリスマスローズって、タネで増やしても花色、花形、模様が安定しないので、全く同じ花は咲かないってご存知? 言ってみれば「世界に一つだけの花」なのです。有島先生は滅多に株分けをしないそうで、その理由は「世界に二つの花」になってしまうからなんだとか! なるほど!!

肥料やりNG!水やりONLY!
 前年の11月から続けてきた肥料やりは、5月一杯でストップします。6月以降に肥料を与えると、夏頃に新しい芽が出てしまうことがあります。これは本来冬に花芽になるはずのものが、葉芽に転換してしまったもの。つまり、この時期に肥料を与えていると、冬の花芽がグンと少なくなり、葉ばかりの株になってしまうことも!鉢土の上に残っている置き肥は取り除き、以降11月になるまでは、置き肥も液肥も一切与えません。この期間は、余計なことは行わず、水切れだけに注意しましょう。
 多くの園芸書には、6月から秋にかけてのクリスマスローズは、半休眠期とか休眠期と書かれています。でも、クリスマスローズは常緑多年草。バラのように葉を落として眠っているわけではありません。有島先生は、この時期をクリスマスローズの「安定期」と表現しています。冬から春まで生育を続けてきた株は5月一杯で葉を完成させ、6月からは一旦動きを止めている状態。つまり、活発に成長しているわけではなく「安定期」に入っている状態ということ。眠っているわけではないので、肥料を与えれば吸収してしまいます。だから、肥料やりはNG!水やりONLY!というわけです。地植えにしている場合は、バラなど、近くの植物にあげた肥料を吸ってしまうので注意!


夏の置き場は、どうする?

夏は風通しの良い日陰や軒下へ移動した方が良いとよく言われますが、そんな都合の良い場所ってありますか? 自生するクリスマスローズは、森の中の半日陰で育っているわけではなく、日の当たる道端に生えていたり、公園に植栽されている株だって、遮光するなんてことはありません。つまり、その環境に馴染んでしまえば、鉢植えだって移動する必要はないということ(但し、幼苗の場合は、少し影になる場所に置くなど注意が必要)。「クリスマスローズは、日陰でも育つとよく言われますが、それは大間違い。花を咲かせる植物はすべて、太陽が大好き。クリスマスローズだって同じで、日陰でなく太陽が好きなんです」と有島先生。先生のお宅では、ほとんどの鉢を一年中同じ場所で管理しているそうですよ。

鉢増しは避け土替えが目的
 植え替えのベストシーズンは、株に勢いがある3〜4月ですが、春に植え替えできなかったり、水の通りが悪くなった株は、この時期に植え替えます。春の花数を減らさないためには、10月前半までに行いましょう。但し、春と違って、秋に植え替えても芽の数は増えないので、鉢のサイズを大きくすると、株が小さく見えて寂しい印象になりがち。秋の植え替えでは、鉢増しはせず、土を入れ替えるつもりで行うのがおすすめ。

花ごころINFORMATION

清楚で可憐に咲く
「クリスマスローズの肥料」

■花付きを良くするリン酸成分の多い肥料です
■天然腐植に吸着された肥料成分が、少しずつ溶け出すため、根を痛めません
■カビや虫の発生がないので安心してお使いいただけます


編集後記

今回、ご自身撮影のたくさんの栽培写真を見せてくださった有島先生。その1枚1枚には謎の暗号が!?…これは、株の種類、購入年、撮影日を記録したもので、膨大な数の株を管理されている先生だからこそ、一株一株をよく観察し、愛情を注いでいらっしゃるのが伝わってきます。大切なのは、植物を知ること。相手を知ることで、より良い環境を作ってあげられるんですね。ちなみに、半日陰のイメージが強いクリスマスローズですが、先生は1年中同じ場所で育てていらっしゃると聞いて、それなら我が家のマンションのベランダでも大丈夫だと確信!この秋から有島先生流レシピでチャレンジしてみます!皆さんもぜひ!!(原)



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