ウェルカム(鉢植え)フルーツのすすめ
果実の収穫はもちろん、玄関先を飾るグリーンとして果樹を楽しもう!というのが、今回のご提案。そこで、柑橘類の栽培のプロ、『カンダシトラスファーム』の神田康充さんに、ウンシュウミカンを中心とした、鉢植え柑橘の育て方、楽しみ方のコツを教えていただきました。ミカンがぶら下がった樹のお出迎えなんて、何だかワクワクしませんか?
ウェルカムフルーツと言うと、ホテルに到着した宿泊客にサービスされる<ウェルカムドリンクのフルーツ版>を想像されるかもしれません。でも、今回ご提案する「ウェルカムフルーツ」はちょっと違います。わが家の玄関先で、大切なお客様をお出迎えする「果実のなる木=果樹」のこと。果樹は地植えで大きく育てるイメージがありますが、ウェルカムフルーツは、玄関先でコンパクトに育てられる鉢植えが基本です。
ほとんどの果樹は鉢栽培できます。それどころか、移動できる鉢植えなら、植物の性質 に合わせた栽培環境を作ることができるので、寒さに弱い柑橘類を寒地で栽培することも可能です。また、地植えだと大きくなる木も、鉢植えにすると樹勢が抑 えられ小柄に育つため、地植えよりも早く実が付くようになり、しかも味は糖度が高く濃厚になります。収量は地植えに劣るものの、少数精鋭の質の高い果実を 楽しめるというワケ。また、今回あえて”ウェルカムフルーツ”に柑橘類をオススメするのには、次のような特長があるからなんです。
特長❶ 常緑で一年中楽しめる
玄関先に置く鉢植えは、四季を通して楽しめるものが理想。柑橘類のほとんどは常緑だから、観葉植物のように一年を通してグリーンを、そして、可憐な花や実の色の変化だって楽しめます。
特長❷ 爽やかなシトラスの香り
果実の他、花や葉にも香り成分があるので、年間通して爽やかな香りを漂わせます。ミカンやレモンなどのシトラス系の香りは、誰にでも好まれ、気分を明るくするというアロマの効果もあるので、お出迎えの香りにぴったり!
特長❸ 1本でも結実する
果樹の多くが、自分の花粉では果実をつけにくく、2品種以上を一緒に育てなければいけませんが、ほとんどの柑橘類は、1本でも実をつけます。人工授粉の必要もありません。1本なら省スペースで育てられますよね。
『カンダシトラスファーム』 代表:神田康充さん
全国的にも有名なミカンの産地・愛知県蒲郡市で代々続くミカン農家の三代目。約40年間、親子二代に渡って「実付き柑橘の鉢植え」にこだわり、独自の技術を確立。 現在では10種類以上、年間1万8000鉢もの実付き柑橘の鉢植えを生産出荷している。難しい管理をしなくても、誰でも気軽に楽しめる柑橘の鉢植えを目指し、日々努力を続けている。
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