みんなに聞いた『土・肥料 保管の疑問』
培養土や肥料の消費期限は?
「培養土にも肥料にも、袋に消費期限(有効期限?)が書かれていませんが、効果は変わらないのでしょうか?」(三重県/ロネスケ様)
「肥料が日光や夏など暑い場所に置いていると劣化が気になりますが、植物への影響があるのでしょうか?」(島根県/須山暁美様)
今回のアンケートで、「土と肥料の有効期限」があるかないかをお聞きしたところ、「土も肥料も有効期限がある」というのが最も多い回答でした。でも、これは不正解。培養土や肥料には、どちらも有効期限はないのです。また、培養土や肥料のパッケージには、製造年月日や袋詰めした年月が記載されているので、これを有効期限と関係していると勘違いされている人も多いかもしれません。食品や農薬などには、賞味期限や有効期限があります。これは、食品は腐ったり、農薬は成分が分解して効き目が低下するからですが、肥料成分はほとんど変化しません。
余った土を次の機会に使う場合は?
「同じ銘柄の製品を使い、余ったものは、次に購入した製品に入れて使う」(栃木県/井上ファミリーパパ様)
「肥料は混ぜて使うことはないが、余った土は混合してしまう。問題なのだろうか?」(山形県/かぼちゃあ様)
理想を言えば、培養土は同じメーカーのものを使った方が良いと思います。というのは、培養土はメーカーによって原料や配合が異なるので、培養土が変われば、水や肥料の管理方法も変えなければいけなくなることがあるからです。特に、植え替えの場合は、植物にとっても環境が変わってしまうことになります。ですから、“かぼちゃあ様”のように、余った土をいろいろと混ぜて使うのは、あまりオススメできません。もちろん、しっかりとそれぞれの培養土の特徴を把握した上で混ぜるのなら、問題はないと思うのですが…。
保管してある土に問題発生?
「園芸用土については袋に微孔があるのか、雨に当たって土がかなり水を含み、扱い難い状態になり困ったことがあり、雨に当たらないように心掛けている」(愛知県/小谷隆之様)
「以前、余った土を保存していました。ところが、いざ使おうとした時、土にカビが生えていて触るのも怖かったです。それからは使い切るか、余ればそこらに捨てるようにしています」(富山県/preferkiss様)
「封を開けずに保存してたのに、開封したら土の表面にカビがついてることがあった。使っていいのか迷った」(長崎県/前山光代様)
培養土には消費期限はありませんが、一度封を開けたものは袋の封をしっかりと閉じて保管しなければいけません。また、封を開けたものだけでなく、未開封のものも、雨や直射日光の当たらない、できれば風通しのいい涼しい場所で保管するのが一番です。“小谷様”のおっしゃるように、培養土の袋をよく見ると、数カ所に小さな穴が開けてあります。これは培養土の中の堆肥が少しずつ発酵して水分や熱を出すため、それらを逃がすための穴。だから、雨の当たる場所では、穴から水が入ってベチャベチャになってコケが生えたり、直射日光に当たると、熱がこもって、水蒸気でムンムンになってしまいます。また、白いカビ が生えてしまったという声もいただきましたが、これは心配いりません。白いカビは土の中の「良い菌」が異常に発生してしまったことが原因。袋から出し、軽く日光に当て、カビを混ぜ込んで使用すれば問題ありませんよ。
肥料が固まってしまった
「肥料はまず買っても1度で使い切ることはないので、必ず保存しています。粒の大きい化学肥料だと、置いたままにしておくと細かく崩れることはありますが、基本的には日や水の当らない所に置いています。現在使っている物を使い切ってから新しい肥料を買うようにしています」(大阪府/eriたん様)
「肥料は空気に触れると効果がなくなるので必ず封をしています」(大阪府/花ちゃん様)
「肥料が固まって固くなってしまい、叩いて細かくして使っています」(新潟県/品田ハルミ様)
培養土と同じで、肥料にも有効期限はありません。でも、肥料成分は水に触れたり湿気を吸収すると、成分が溶け出して変わってしまいます。また、砕けたり溶けたりすると、効き方が変わってしまうこともあります。例えば、ゆっくりとした効き目になるようにコーティングが施された肥料は、砕けると効き目の早い肥料になってしまいます。また、有機肥料の場合、微生物の活動で多少成分が分解されることもあります。植物が必要な時に必要な量だけ与える肥料は、早く使い切るために多めに与えたり、適さない植物に無理に与えるのは、もちろんタブー。残った肥料は、雨や日光の当たらない場所で、きっちりと封をして保管するようにしましょう。“eriたん様”のおっしゃるように、使い切ってから次を買い足すことも大事ですし、割安だからと大容量のものを買うのではなく、ワンシーズンぐらいで使い切れる量を購入するのがオススメです。
使用する分だけ購入
「どうしても足りなかったらと思うと、大容量の土を購入してしまいます。きっちり保存してるつもりでも、湿気て固まってしまい困ります」(和歌山県/紅いバラ様)
「ベランダ栽培なので、余った土の置き場所には困る。良いアイデアがあれば知りたい」(千葉県/coba様)
「土は、あまり大きな単位では買わないようにしています」(愛知県/なかちゃん様)
「上手に保管できない」「保管場所に困る」など、いろいろな声が聞かれました。培養土は様々なサイズが市販されています。草花から野菜まで幅広く使える汎用性培養土、例えば『花ちゃん培養土』の場合は5L・12L・25Lと大容量のものまであります。特定の植物向けの専用用土も、2Lから12Lぐらいまであり、育てる鉢の大きさに合わせて、必要量を購入しやすくなっています。鉢底石を入れるかどうかや、鉢の深さによっても変わってきますが、長さ65cmの標準プランターなら、約12L入ります。また、手持ちの鉢の場合も、あらかじめどのくらいの土が入るかを計っておくと、培養土のサイズ選びも楽になるし、土が余って困ることも少なくなりますよ。
保存のアイデア
「土や肥料が余った時の保存の方法に注意してます。
【雨水が入る】カビの発生・腐敗したり湿っていて使いにくくなる。
【日光に当たる】袋がもろくなる・成分が変化する。
【袋を密閉する】虫が混入し繁殖。使い物にならなくなる。
【物置内に入れても蓋が出来るケースに入れる】ネズミやナメクジに袋を破られる」
(栃木県/raiden様)
「肥料は小さな粒状のものはペットボトルに入れておくと撒きやすいです」(東京都/奥田英子様)
培養土や肥料は、使いかけのものがいくつもあると、整理整頓しにくいですよね。特に肥料の場合は、何度も袋の開け閉めをしているうちに、袋が破れてしまうこともあります。“raiden様”のおっしゃるように、ネズミなどに袋を破られてしまうことも…。たとえ物置の中でも注意したいですよね。肥料の保存は、虫が湧くのを避けるために、必ず袋の口をしっかり縛るようにしてください。密閉できる容器に移し替えればより安心です。小粒のペレット状の肥料なら、“奥田様”のように、ペットボトルに移し替えれば、撒きやすく使い勝手も良さそうです。ペットボトルには、商品名や施肥量などがわかるように、肥料のパッケージを貼っておくとイイですね。
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