スプリング・エフェメラル
(Spring ephemeral)
早春に開花する植物の事を言います。
「春の儚いもの」「春の短い命」
日本ではその代表的な植物に
カタクリ
アズマイチゲ
キクザイチゲ
ショウジョウバカマ
イチリンソウ
ニリンソウ
フクジュソウ
等があります。
主に早春の明るい林床等で一気に群生して花開き、夏になる迄には地上部には葉も無くなり、その姿を消してしまう儚さから名付けられた名称です。
そんな植物の代表として良く名前が挙げられる植物が、この辺りでは秋の紅葉で有名な、愛知県豊田市足助町の香嵐渓で見られます。
飯盛山の傾斜地に広がる「カタクリ群生地」
カタクリはユリ科の植物で、嘗ては明るい照葉樹林の林床に多く自生していた植物ですが、手入れされた樹林の減少、可憐な花ゆえの乱獲等でその姿を見る事が少なくなった植物です。
しかし、古来より根から片栗粉を採ったり、可憐な花を万葉集に詠われるなど、人々の生活に密着していた植物です。
かと言ってRDB(レッドデータ・ブック)に載ってはいない微妙な植物でもありますが、東海地区に於いては元々からその自生は無かったと言われる研究者も居ります。
確かに早春の山に入っても、尾張、三河、南信の山では姿を見た事がありません。
と言う事でこちらの香嵐渓でも、嘗てのカタクリの群れ咲く風景を取り戻そうと、過去に地道な植栽、育成活動をされていた様ですが、実はカタクリの自生は疑問視されている所もあります。
とは言えカタクリは花を付けるまで7年から8年はかかると言い、ここまでの群生を人為的に作り上げる事は容易な事ではないのが事実です。
環境によっては一度失えば元に戻るのは中々難しい植物でもあり、可憐な花は姿だけでは無くその存在すらも儚いものでもあるのです。
でも、今や人為的に殖やし、その存在を様々な形で活かされている
…と言う姿に
ふと寂しさを感じます。
GDスタッフ:Y
おまけ
同じ飯盛山に咲いていた「キクザイチゲ」♪
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