バラ園なのに、バラが咲かない
「バラ園なのに、バラが咲かない」と相談いただいたのは2017年10月のことでした。
さっそく現地調査に向かうと、約4.9ヘクタールのバラ園には、10月下旬の秋の開花時期にもかかわらず、花はポツリポツリ。年々花が少なくなってきたということです。
これでは、バラ園とは名ばかりになってしまいます。今の状態では、5月の花も期待できません。
担当者の方は、毎年春と秋に開催するバラまつりが盛り上がらないとお困りでした。
その後、正式にご依頼をいただき、花ごころ土壌改良チームは、解決に向けて動き出しました。
土壌診断からスタート
まずは、現地の土を持ち帰り、土壌分析を行いました。専用の測定器を使い、土の養分量とバランス状態を分析します。
分析項目は、pH(H2O、KCI)、EC、硝酸態窒素、アンモニア態窒素、無機態窒素合計、リン酸、カリ、石灰、苦土、CEC、腐植、陽イオン飽和度(バランス)。
分析の結果、高pH、リン酸過剰、カルシウム・マグネシウム不足と診断しました。
診断に基づき、土壌改良レシピ&施肥設計
花ごころ土壌改良チームは診断結果から、土壌改良のレシピと肥料設計を作成。
土壌改良に使う資材は有機質のものを主体とし、施肥も、化成肥料中心の施肥設計から有機中心に変更しました。
◎今回使用した主な資材
・花ちゃんバーク(土壌改良)
・ガーデンプレミアムコンポ(土壌改良)
・花ごころバラの肥料(施肥)
・苦土石灰(施肥)
・溶リン(施肥)
土壌改良工事
2018年2月 診断に基づいた土壌改良作業を実施。
バラ園の固くなった土を50cm深で堀り起こし、そこに土壌改良材を混ぜ込んでいきます。ユンボも使いますが、ユンボが入れない場所は人の手で土を掘り出すしかありません。バラが溢れるように咲く公園を目指し、公園スタッフと一緒になって汗を流しました。
担当者のお悩み、春のバラ祭りは?
2018年5月、春のバラ祭りはどうなったのでしょうか?
みごと、バラ園の復活です。
特に成果を感じたのは、老化して1本立ちになっていた株からベイサルシュートが3~5本も出たことです。
これは、根の生育が良いことの証です。
公園の担当者様も変化を実感し、
「花が大きくなり、色や香りも良くなった。」
「来園者から“今年はキレイ”と言われます」とご満足いただきました。