ラベンダー栽培の第一歩は、系統選びから
北海道の代名詞にもなっているラベンダーは、さわやかな香りと美しい花で人気ナンバーワンのハーブ。育てている人も多いですが、「意外と難しい」「枯らしてしまった」という声もよく聞きます。もしかしたら、育て方以前に、系統選びが原因かも…。
ラベンダーにはたくさんの品種がありますが、大きく5つのグループ(系統)に分けられます。そしてグループごとに、見た目だけでなく、香りの強さ、開花期、耐暑性や耐寒性が異なります。苗を購入する時には、見た目や香りで選びがちですが、実は、育てる環境にあったグループを選ぶことが、失敗しないために大切です。例えば、北海道でよく育てられているコモンラベンダーは、梅雨や真夏の熱帯夜がある関東以西では上手く育ちません。また、プテロストエカス系のラベンダーは、耐暑性も耐寒性も強くないので、移動できる鉢植えに適しています。このように、お住まいの地域や育てる環境を考えて選ぶことが、ラベンダー栽培を成功させる第一歩です。では、代表的な5つのグループを簡単にご紹介しましょう。
■アングスティフォリア系(コモンラベンダー、イングリッシュラベンダー)
北海道で栽培されている代表的なラベンダー。つぶつぶの可愛らしい花は、ラベンダーの中でも一番香りが強く、ドライフラワーなどにも最適なグループ。
■ラバンディン系
つぶつぶの花はアングスティフォリア系に似ているけれど、花穂が大きく美しいのが特徴。花だけでなく葉の香りも良く、グングン生長して大株に。
■ストエカス系(フレンチラベンダー)
花穂が膨らみ、先端にウサギの耳のような苞葉がつく花が愛らしい。比較的高温多湿に強いので、梅雨のある地域でも育てやすい。反面、寒さにはやや弱く、冬期に気温がマイナスになる地域では、防寒対策が必要。
■プテロストエカス系(レースラベンダー)
切れ込みのある鳥の羽のような形の葉が特徴。四季咲き性で、付け根からいくつかに分かれて花穂を出すユニークな姿をほぼ一年中楽しめる。香りはやや弱め。
■デンタータ系
花茎が太くしっかりとした大型ラベンダーで、庭での存在感も抜群。葉の縁に細かい切れ込みが入るのが特徴で、細長い花穂はほぼ一年中楽しめる。香りはやや弱め。
次ページ> ラベンダーが好むのは、どんな土? |1|2|3|