みんなに聞いた『理想のガーデンは、こんなお庭!』
管理が楽なお庭の決め手は宿根草?
「バラと宿根草中心で一年中花が咲いている庭。手入れが楽な植物中心が理想です」(愛知県/鈴木あやの様)
イングリッシュガーデンをはじめ、西欧の庭には必ずと言っていいほどバラが植えられています。そして、そのバラの美しさを一層引き立てているのが様々な宿根草の存在です。宿根草は、毎年植え付けが必要な一年草と違って、地上部は枯れて休眠しても、地下部は生きていて毎年新しい芽を出し花を咲かせてくれるのが特徴で、時期になれば自然に花を咲かせてくれるので、“鈴木様”のおっしゃるように、ちょっぴり手抜きできるというメリットも。但し、いくら宿根草でも、一度植えたら後は放りっぱなしで良いわけではありません。花がら摘みやお礼肥えなどの基本的なお世話はもちろん、数年に一度は株分けが必要だったりします。でも、長く付き合えば付き合うほど、まるで初めからそこにあったかのようにお庭にナチュラルな表情を生み出してくれます。
理想は季節が感じられる庭
「(理想の庭は)自然に生えてきたかのような、けど整った庭。四季を感じれるようなインテリアのような庭。金木犀など、匂いでも楽しみ、ゴールドクレストをモミの木に見立ててクリスマスツリーをしたり、庭で季節を感じたいです」(香川県/のんママ様)
「庭に大きめの敷石を点在させて石の周りにポーチュラカとか松葉ボタンで飾る、そしてダリアの夏。春はデージー、秋はコスモスの印象の庭」(神奈川県/このはなくさや様)
スーパーに年中並ぶ野菜同様、都心や住宅地では、植物から季節感を感じることが少なくなっていますよね。だからこそ自分のお庭で季節を感じたいと思う人も多いようです。季節感を出すには…樹木なら常緑樹よりも紅葉が楽しめる落葉樹にしたり、草花なら季節になると自然に花を咲かせてくれる宿根草や球根を取り入れるのもオススメです。もちろん“のんママ様”のように、香りで季節感を出すのもイイですね。例えば、春はジャスミン、夏はラベンダー、秋はキンモクセイ…想像するだけでも心地良いですよね。もちろん、常緑樹などが中心で季節感が出にくいお庭の場合は、“このはなくさや様”のおっしゃるように、季節ごとの一年草を植えてアクセントにするのも良いと思います。
食や暮らしを楽しめる庭が好き
「スロバキアの友人が庭でハーブを育てています。日本では味わうことのない様々なハーブシロップを作り、夏にはさっぱりとしたジュースで。冬にはホットワインの中に香りづけとして入れてもてなしてくださいました。そんな庭と食生活の共存が素敵だと憧れを持っています」(北海道/cana様)
「マンションなので小さくても庭のある住まいに憧れがあります。野菜とハーブや花をミックスしたポタジェをいつか作りたいです!」(大阪府/赤松千佳様)
日本でも家庭菜園の人気は衰え知らずで、つい最近の野菜価格の高騰で、今後もますます注目されそうな予感です。かつて日本で家庭菜園と言うと、家の庭などで野菜を育てるだけの「小規模な畑」というイメージが強かったのですが、最近では野菜も植栽の一つとして、キッチンガーデンやフランスのポタジェのように、お洒落に野菜づくりを楽しむ人も増えていますよね。特に、ハーブが日本でもポピュラーな存在になってからは、断然オシャレ度もアップ!食べ物としてだけでなく、アロマやクラフトにといろんなシーンで利用できるハーブを育てることは、暮らしとガーデニングをグンと近づけてくれたような気がします。“cana様”のように、外国のお友達から実際に新しいハーブの魅力を教わったりすると、すぐに自分の庭にも取り入れてみたいと思いますよね。
海外ガーデン巡りで、理想の庭を発見
「庭や植物園を見るのが好きで、海外でも近くに行けばたいてい寄っています。きちんと造園した庭も好きですが、自然を生かした庭が好きです。自然の山や谷の地形や植生を生かした『ハワイ大学植物園(ライアン植物園)』が大好きです。その影響で、我が家でも熱帯植物や亜熱帯植物を多く植えており、今もプルメリアが咲いています。その全く逆を行くイギリスの『キューガーデン』やヤシの木のコレクションが素晴らしい『シンガポール植物園』も好きです」(埼玉県/TAD様)
今回のアンケートでは、海外のガーデンを見るために海外旅行をしたことがあるかどうかをお聞きしましたが、「ある」と答えた方は2割程度でした。でも“TAD様”は海外のいろいろな植物園や庭園に行かれているんですね。そして観光するだけでなく、ご自分の庭づくりにも取り入れていらっしゃるとは、本当に素晴らしいです。ロンドンのキューガーデンは世界遺産としても有名ですが、シンガポール植物園もまた2015年にシンガポール初の世界遺産に登録されたそうです。それだけ歴史的にも重要な役割を果たしているということなんでしょうね。他にも、例えば、カナダの『ブッチャードガーデン』、ブラジルの『クリチバ植物園』、上海の『豫園(よえん)』など、世界には魅力的な庭園がたくさんあります。海外旅行の目的に“ガーデン巡り”を加えて、広大なお庭の中からご自分の庭づくりのヒントを探してみるのもいいですよね?
“理想の庭”にも、男女差が??
「枯山水や滝もいいな、と。水がある方がいい」(千葉県/石田孝一様)
「私は、池で金魚250匹を育てています。出来れば、滝が流れる様な大きな庭が理想です。現在は、水中ポンプで水を浄化しています。少し理想であれば、ろ過装置付きの池と庭が欲しいです」(北海道/だいちゃん様)
「茂りすぎず、風通り・日差しの入りが良いこと。置物などを置かずシンプルに草木を愛でる」(三重県/KENZ様)
「芝と石・岩・水を組み合わせた、庭が好きです」(新潟県/アルペジオ様)
今回のアンケートで感じたのは、理想の庭のイメージは、男性と女性によって違いがあるということでした。例えば、女性の場合、欧米風のオブジェやエクステリアを置いたり、バラを中心にした洋風の庭が理想という声が多かったのに対し、男性はどちらかと言うと和風だったり和洋折衷の庭が理想という声が多く聞かれました。最近では海外でも和食とともに人気の「枯山水」などの日本庭園、そして欧米の若者にも人気の「盆栽」…これらの日本が世界に誇る美を取り入れた庭は、女性よりも男性が好む傾向があるようです。それにしても、滝のある庭とは!スケールが大きいですね。
憧れの庭を実現するには何が必要?
「バラが好きで、テレビ、雑誌を真似てみたが、現実は、害虫や剪定の失敗で、枯れたりしてしまいます。憧れはたくさんですが、難しいですね」(愛知県/ろみ様)
「以前は外国の庭のように樹々や草花を密生して植えていましたが、湿度や気温の高い我が家の庭では虫や病気が大発生して手入れが大変。最近は適度に空間を作って健康的な庭を目指しています」(千葉県/よたきん様)
「家の敷地を植物で埋め尽くしたら、とても素敵な庭になったけれど、その分、雑草などの手入れが大変になってしまったので、また縮小した」(兵庫県/sike56様)
ガーデニング雑誌で見るようなお庭にしたいと思っても、なかなか思い通りにはいかないのが現実ですよね。また、海外では手軽に育てられても、日本の気候に合わない植物もあったりするので、イメージ通りの庭を作るには、まず庭の環境をチェックして、その環境に合う植物は何かを調べることが大切。さらに、植えたい植物が自分の生活パターンの中できちんとお世話できるかどうか、開花期や生育サイクル、生育後のサイズなどが自分のイメージに合っているかどうかを知っておくといいですね。でも、どんなに素敵なお庭も、きっといろいろ試行錯誤しながら、少しずつ作り上げていったに違いありません。ガーデニングって、これが正解!とか、これが完成!というのがないところが、多くの人が惹き付けられる魅力なのかもしれませんね。
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