みんなに聞いた『連作障害に負けない野菜づくり』
同じ野菜だけでなく、同じ科の野菜もNG
「夏に同じ畑でトマト、ナス、キュウリを育てていたのですが、去年が豊作だったので今年も大丈夫だろうと簡単に考えていました。でも、その年の収穫は半減、そして苗自体も元気がなかったり…今考えると連作障害だったんですね」(福岡県/りーなるママ様)
「トマトが豊作だった翌年、全くとれなかった。それからは、違う野菜を植えるようにした」(愛知県/syugetu様)
「家庭菜園に野菜どろぼうが来るので葉物野菜は持っていかないので葉物野菜を連作したら根こぶ病が発生してしまいました」(愛知県/ころんさん様)
同じ土で育てると連作障害が起きやすいのは、同じ種類の野菜だけではありません。同じ科に属する野菜でも同じように連作障害が起きます。例えば、トマト、ナス、ジャガイモなどはナス科の野菜ですが、トマトの後にナスを植えても連作障害が起きやすくなります。他にもウリ科やマメ科、アブラナ科の野菜も連作障害を起こしやすい野菜です。逆に、カボチャやネギ、タマネギ、サツマイモなどは、連作しても障害が出にくい野菜。“ころんさん様”のおっしゃるように、ハクサイやコマツナなどのアブラナ科の葉物野菜は、連作障害で根こぶ病が発生しやすくなるので注意が必要です。それにしても、野菜泥棒とは許せませんね!どんな病害虫よりも厄介ですね!!
相性の良い野菜を後作に
「夏も暑くなり、良く育ちこれから収穫という時期に水切れでもないのに葉がぐったりとしていたのがトマトの連作障害で、みるみる青枯れしました。本当にガッカ リしました。泣く泣く引き抜きました。土の中の見えない世界の事だけに、はっきりした事がわからないのがモヤモヤします。夏野菜はナス科のものが多いので すが、できるだけ色々な科の野菜を植えるようにしています。個数が取れないのが残念ですが、トウモロコシを好んで植えています」(新潟県/こうちゃん様)
「家庭菜園では作る作物を畝ごとに少しづつずらして植えています。せっかく手をかけて育てても生育に障害がでてしまうと収穫にも影響しますし、何よりちゃんと育ってくれないと悲しい」(千葉県/よたきん様)
一生懸命に育てていよいよ収穫という時に、連作障害が原因で枯れてしまうなんて…本当にガッカリですよね。ご心中お察し申し上げます。“こうちゃん様”は トウモロコシを植えられたようですね。これは大正解だと思います。というのは、トウモロコシの後作にトマトを植えるのはとても良い組み合わせなんです(も ちろんトマトを植えた直後ではなく、十分に期間をあけてからの話ですが…)。野菜づくりでは、後作に相性の良い野菜を組み合わせると、病害虫の発生を軽減 してよく育ちます。例えば、トマトの後作にはキャベツやブロッコリー、ナスにはカボチャやエダマメ、タマネギにはトマト、ダイコン、キャベツなどが相性の 良い組み合わせ。連作障害を防ぐわけではありませんが、野菜同士の相性を考えてローテーションを組むのも、成功への近道かもしれません。
連作障害対策も、土づくりが大切
「連作障害を防ぐためには堆肥をたくさん与える等の対策が言われていますが、野菜によってかなり差があり、根菜類程度の連作障害ならばこれでかなり防ぐことが できますが、トマトやピーマンなどのナス科の連作障害対策としては全くダメでした。見事に尻腐れ病になりました。それ以来、ナス科の植物については3年間 は間隔をあけています」(埼玉県/TAD様)
連作障害対策、いろいろ実践されているようですね。連作障害を防ぐ方法はいくつかあります。土壌に伝染する病気が原因になっている場合は、太陽熱で土壌を殺菌したり、“TAD様”の おっしゃるように堆肥など有機物を投入する方法もあります。土壌に住む微生物のエサとして有機物を与えることで、植物の生育環境を整えてくれる有益な微生 物を増やすことができます。でも、どれか一つだけ行えば安心というわけではないので、同じ野菜を続けて作るのではなく輪作を心掛け、さらに有機物の投入、 太陽光による消毒など、しっかりと土づくりを行うことが大切。やはり、連作障害対策でも「土」が基本なんです。
スペースを区切ってローテーションで育てる
「以前は同じ場所に植えると、茎葉・果実が大きく育たない・収穫時期が短い・害虫に弱いなど、近所の栽培状況と比べると悲惨な状況でした。最近は連作障害がでる野菜には、3~4年で植えつける場所をローテーションしたり、野菜くず・糠もみ殻・堆肥などの有機肥料をたっぷり使って植えたり、気を付けて栽培しています」(千葉県/しんちゃん様)
「連作障害が起きないよう、畑の区画ごとに毎年違う科の野菜を植えるようにしています。大根は連作障害が出にくいと聞いたので、大根を良く作ります」(北海道/さなちー様)
「どの場所に何の野菜を植えたか忘れるので デジカメで畑を時々撮影して連作を避けるように心がけている」(岡山県/久宗旬子様)
連作障害を防ぐには、同じ場所(同じ土)で、続けて同じ野菜を育てないのが一番。何しろトマトやピーマンなどを育てた場所は3〜5年も休ませる必要があると言われます。でも、スペースが限られた家庭菜園では、そんなに休ませていたら、野菜が作れなくなってしまいます。だから“しんちゃん様”のように、数年先まで計画を立てておくのはとても大切ですよね。また、“さなちー様”のように、スペースを区切って、一年ずつ区画をずらしながら、ローテーションして栽培するのもオススメです。また、どこで何を育てたかを忘れないように、“久宗様”のようにデジカメで撮影したり、栽培ノートに書き留めておくとイイですね。
接ぎ木苗なら連作障害は出ない?
「連作になるのがわかっている時は、苗を購入するときに、接ぎ木苗を購入する」(静岡県/ますい様)
「連作防止のためなるべく苗の購入を接ぎ木苗にしたり。畑の畝を変えたりはしている」(愛知県/さっちゃん様)
接ぎ木苗とは、育てたい野菜の穂木を、別の病気に強いなどの特長を持つ品種の台木に接いだ苗のことで、だいたい同じ科のものが使われます。接ぎ木苗のメリットはいろいろありますが、接ぎ木苗は台木に耐病性のある品種が使われることが多いので、連作障害が出にくくなります。連作障害が出やすいキュウリやスイカには、同じウリ科で連作障害の出にくいカボチャを台木に使うことが多いですが、基本的に同じ科の台木が使われるので、絶対に連作障害が出ないとは言えません。接ぎ木苗を使うにしろ、やはり注意は必要ですよ。
コンパニオンプランツをお守り代わりに
「基本的には連作しないことですが、コンパニオンの植物もずいぶん効果があります」(東京都/うみうし様)
「同じ場所で続けて育てない事。相性の良い野菜どうしを隣り合わせにして育てる」(鹿児島県/ざり子様)
コンパニオンプランツとは、一緒に栽培すると互いの生長に良い影響を与える植物の組み合わせのことで、病害虫を予防する効果も期待できます。例えば、ダイコンやトマトにマリーゴールド、スイカやキュウリに長ネギを混植すると連作障害による被害が軽くなることも実証されています。もちろんコンパニオンプランツさえ植えれば大丈夫というわけではないので、あくまでも「お守り」として、育てたい野菜と相性の良い植物を植えておくといいですよ。
【プランター栽培は新しい培養土なら安心】
「自宅の庭は日当たりがあまり良くないため、太陽を追いかけて移動させやすいように、プランターや鉢で育てています。土は毎年、新しい培養土に入れ替え、古いものは生ゴミや落ち葉で作る肥料のために開けた庭の穴へ投入。結構、良い肥料ができます」(東京都/ヨッシーママ様)
「連作障害は以前から知っており、毎年注意しているが、これまでに2~3回野菜や園芸作物で生じて悔しい思いをしたことがあります。プランター栽培の場合は、毎年新しい培養土を使うように努めています」(東京都/村上啓二様)
プランター栽培の場合、連作障害を防ぐのは簡単!つまり毎年新しい培養土を使えばいいのです。何となく不経済のように思えるかもしれませんが、手塩にかけて育てた野菜が、うまく育たなかったり収量が少なくなったり、突然枯れてしまったり…そんなことになったら辛いですよね。毎年同じ野菜を育てたいなら、毎回新しい培養土を使った方が無難です。古い培養土は再生材などでリサイクルし、他の草花の植え付けに使えば、無駄になりません。もちろん“ヨッシーママ様”のように堆肥作りに利用してもいいですよね。
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