みんなに聞いた『わが家の庭の土壌改良』
土壌改良に適した時期は?
「植えてあるお花が枯れてしまったり、お花が終わった後に、お花を入れ替えるのと同時に土の改良もすれば一度で作業が終わるので、毎回そうやっています」(岐阜県/みーちゃん様)
「雪国なので、冬になる前にプランターの土を改良土と混ぜながら庭に蒔き、雪が融けると腐葉土・牛糞を播き、植物の状態を見ながらスコップで混ぜ込んでいきます。毎年の仕事と思っています」(秋田県/瀬尾加津子様)
お二人とも、きちんと定期的に土壌改良を行っていらっしゃるんですね。どんなに良い土を入れた花壇や畑でも、年に一度は土壌改良を行うのが理想的です。決まった時期はありませんが、適期は冬か夏。植えてある植物が少なくなる冬が、特にオススメです。冬の寒さにさらすことで、土の塊が風化されて土が柔らかくなったり、土中の病害虫を寒気にさらすことで駆除できます。もちろん夏でも効果は十分得られます。真夏の強い太陽熱によって、病害虫を死滅できるからです。でも、炎天下での作業は、ガーデナーとってつらい作業。それよりは、比較的ガーデニング作業が少ない冬の方が、効率も良く、体力的にもラクだと思います。しばらく土壌改良していなかった人は、この冬こそ行ってみては?
掘り返すだけでも、効果大!
「春と秋にシーズン終わりの草花を抜いて、土の天地を入れ替えるようにしています。腐葉土を混ぜると土が軟らかくなりミミズがたくさん増えます」(長崎県/こじこじ様)
「真夏や寒い日に土を掘り返したりしているが、効果が認識できない」(栃木県/古林清一様)
「土を掘ると必ず虫の幼虫が出てきます!なので、近所の虫好きの男の子を呼んで、引き取ってもらいます(笑)とても喜ばれています!」(兵庫県/のんのん様)
「越してきたときに、掘り返して混ぜました。どくだみの根っこがゴミ袋3つ分もとれ、雑草対策もついでにできました」(千葉県/sike56様)
庭や畑の土壌改良では、深部にある土を表層に、表層にあった土を深部に入れ替える「天地返し」(イラスト参照)がよく知られています。天地返しは50〜60cmほどと、深〜く土を掘り返さなければならないので、かなりの重労働。でも、ここまでしなくても、深さ30cm程度、少し大きめのスコップで掘り返すだけでも十分です。掘り返したら、寒気や直射日光に当て、幼虫やゴミ、根の塊を取っておくとさらに効果的。天地返しほど大がかりではないので、「プチ天地返し」といった感じでしょうか。“古林様”は、掘り返すだけでは効果が実感できないということですが、やるとやらないのとでは、絶対違っているハズ。土の上にばらまくだけの土壌改良材を使う場合も、事前に掘り返しておけば、土壌改良のスピードもかなりアップしますよ。
植物が植わった状態でもできる?
「すでに植物が植わっている場合に土壌改良(土をふかふかにしたい・有機物を足したい)をするには、どうすればいいのか分かりません。腐葉土や有機物を土の表面に置いて、植物を傷つけないように周囲に軽く漉き込むだけで良いのでしょうか」(広島県/ふくたろう様)
すでに宿根草や樹木、秋植え球根などが植えられている場合、土壌改良はムリ?……確かに、植物が植わっている場所を掘り返すことは難しいですよね。そんな時に最も手っ取り早くて効果的なのは、専用の土壌改良材の利用です。例えば、花ごころの『らくらく土の改良材』なら、土の上にバラまくだけで土壌改良効果が得られます。また、植物が植わっていない場所だけでも、部分的に土のリフレッシュをするだけでもGOOD!地上部が枯れずに残っている樹木や宿根草なら、葉が広がっている部分の真下(ここまで根が伸びている)を境に、その外側を深さ10cmぐらい掘り起こします。そして、この溝に腐葉土と堆肥、市販の再生材などを入れて、土とよく混ぜておきましょう。
粘土質・砂質の土壌を改良するには?
「地盤が赤土の粘土質なのでとにかく水はけが悪い。ごっそり水はけのいい土に替えたい」(三重県/903様)
「元は粘土質だったのが最近はめっきり水はけの良い土に変わったような気がします」(愛知県/なかちゃん様)
「いろいろ試したけど軽トラ一台分の山土を買って入れるのが一番でした」(宮城県/ちょっちゅう様)
もともと庭の土質が悪い場合、「ごっそり入れ替えたい!」と思う気持ち、よくわかります。“ちょっちゅう様”のように、軽トラック1台分の土を入れ替えられたら理想的ですよね。でも、一気に改良するのは難しいかもしれませんが、きちんと手をかければ、“なかちゃん様”のおっしゃるように、土はどんどん良くなっていきます。団粒構造が崩れ、目が詰まってしまった粘土質の土は、水はけが悪くなっているので、パーライトなどの粒子の大きい用土を混ぜたり、腐葉土やピートモスを加えるのがオススメ。逆に、サラサラで水はけが良過ぎる砂質の土の場合は、肥料をキープする力もないので、赤玉土や黒土を混ぜて保水力と保肥力を高め、さらに、腐葉土やピートモスを加えると土質がアップします。まずは、自分の庭の土質を理解し、適切な方法で、定期的に土壌改良を行うようにしましょう。
土の酸度を調整するには?
「失敗談ですが、青い紫陽花の根元に、苦土石灰をまいてしまって(消毒のつもりで何気なく)、きれいな青色に咲いていた花色がにごってしまいました。石灰は土質をアルカリ性にするので、紫陽花をピンク色にするそうです。知らなかった!石灰をまいた土を取り去り、ピートモスを入れました。来年はきれいに咲くと良いのですが」(埼玉県/まあちゃん様)
「斬ったわらやお菓子についてる石灰をこまめにやっています」(大阪府/のぶちゃん様)
植物を育てると土は徐々に酸性化が進みます。植物によって最適な土の酸度(pH値)は異なりますが、一般的には弱酸性(pH5.5〜6.5)が良いと言われます。そして、土壌改良の目的の一つが、偏った土の酸度を調整すること。アジサイの花色は、土が酸性なら青、アルカリ性ならば赤になり、土の酸度の影響を受けやすいので、アジサイがあれば自分の庭の酸度が何となくわかるかもしれません。もしアジサイなどがなければ、市販の試験キットなどを使って調べてみるのもいいかもしれません。もしも酸性に偏っているようなら、有機石灰などの石灰資材を施し、アルカリ性に偏っているようなら、酸性調整をしていないピートモス(無調整ピートモス)などを施しましょう。
庭の落ち葉で腐葉土づくり
「家で発生した落ち葉も利用しています」(神奈川県/ちゃびー様)
「落ち葉を捨てずに利用する」(京都府/トラトラッキー様)
「腐葉土には意外なキノコが生えて来る事があり、それも楽しみの一つだ」(愛知県/キノコ博士様)
「腐葉土と牛糞を主に使っています。植物の植え替えの時は特に腐葉土肥料を漉きこんでいます」(秋田県/瀬尾加津子様)
土壌改良でよく使われる「腐葉土」は、主に広葉樹の落ち葉を腐熟させたものなので、たくさん庭木があって落ち葉の掃除が大変!という場合は、自家製の腐葉土を作ってもいいですよね。一番簡単なのは、庭の片隅に穴を掘り、その中に落ち葉を積み重ねて、庭土をかけて雨除けのビニールシートなどを被せおき、数カ月後に混ぜ合わせて、さらに数カ月間熟成させて混ぜる…と、葉が黒く変色し、形が崩れるまで完熟させる方法です。もっと早く作りたい場合は、落ち葉と落ち葉の間に、発酵促進のための庭土と米ぬかをはさんで、ミルフィーユ状に積み重ね、月に1度全体を混ぜ合わせれば3カ月ぐらいで腐葉土が完成します。腐葉土にする落ち葉は少し湿った状態の方が向くので、カサカサに乾燥している場合は、水をかけて少し湿らせてから利用しましょう。
堆肥づくりに向く家庭ゴミは?
「我が家は果物をよく食べるので、乾燥させた果物の皮をミキサーで粉砕し、庭や畑にまいています」(京都府/りな様)
「コーヒー殻をまいてます」(岡山県/せやな様)
「ときどき台所の野菜くずなど、穴を掘って埋めたり、米のとぎ汁をまいたりします」(愛知県/向日葵ババ様)
「庭にコンポストで生ごみ・米ぬか・油かす・土を入れて堆肥を作っています。それを使って夏野菜を育てています、今年も良く摂れて助かりました」(京都府/岡本順子様)
腐葉土と同じく土壌改良によく使われるのが堆肥です。腐葉土の主な原料が落ち葉なのに対し、堆肥の原料は落ち葉だけに限らず、動植物由来の様々な有機物です。家庭でもコンポストなどを使って自家製堆肥を作っている人も多いようです。腐葉土が落ち葉がメインに対し、「材料は何でもアリ」という感じの堆肥ですが、家庭から出る生ゴミなら何でもOKかと言うと、向くものと向かないものがあるんです。野菜クズ、卵の殻、出がらしの茶葉やコーヒーかすなどは堆肥に向きますが、肉や骨、ドレッシングがかかった野菜や調理済みの食品は不向きです。また、コーヒーかすや粉砕した果物の皮などを直接撒いていらっしゃる人もいるようですが、これらはあくまでも堆肥の原料として利用できるというだけで、直接撒くのはやめましょう。生ゴミは十分に発酵させて完熟させてから使わないと、土中で発酵し異臭を放ったり、発酵する際に出る熱で植物の根を傷めてしまいます。ちょっと手間はかかりますが、自家製の堆肥は、土壌改良にもエコの観点からも大いに役立つので、ぜひ正しい方法で行ってくださいね。
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