みんなに聞いた『タネまきのお悩み&解決策』
春のタネまき時期は、桜で決める
「雪国なので気温の見極めが大事。基本的に桜の開花の後にしています」(秋田県/瀬尾加津子様)
「春の種蒔きでは日々草2種類ほとんど発芽しなくショック!!他はOK。種蒔き専用土に植え、鉢下から吸水させたり、鉢の置き場所も十分に気をつけたのになぜ発芽しなかった???」(愛媛県/noppo様)
タネが芽を出す(発芽)には、植物によって適した温度(発芽適温)があります。気温はその年の気候や地域によっても違ってくるので、カレンダー通りにはいきません。温度計を見ながら適した時期にまくことが大切。また、“瀬尾様”のおっしゃるように、春のタネまきの基準でよく使われるのが「桜」です。春まきのタネで多いのが、発芽適温が15〜20℃の植物。この場合、ソメイヨシノが満開を迎えてから葉桜になる頃がまき時。発芽適温が20〜25℃の植物の場合、八重桜が咲き始める頃。さらに、アサガオやヒマワリなど寒さを嫌う植物は、八重桜が散る頃まで待ってからタネまきをした方が安心です。“noppo様”は、十分に注意して育てたのにニチニチソウが発芽しなかった、ということですね?タネの品質の問題かもしれませんが、発芽適温の問題だったのでは?ニチニチソウの発芽適温は22℃前後と高めです。また、光が当たると発芽しにくい性質なので、タネまき後は軽く覆土して、日陰で乾かさないようにするのもポイントですよ。
土やまき床はどんなものがイイ?
「プランターで新しい土に植えると上手く行くけれど、既にある庭に植えても発芽しないことが多いです」(富山県/taremechan様)
「圧縮ピート板での発芽率が一番良かったです。ただ、たくさん苗ができても、養生させておくバックヤードなどがなく、しっかりした苗になるまでの間に黒ポットを家の前の庭に並べるのが嫌で困っています。毎年今年はやめようと思うのですが、ついついまいてしまいます」(兵庫県/のんのん様)
「卵の殻を使って発芽させました」(福岡県/jerrify様)
タネまきに使う土は、とにかく清潔さが肝心です。タネは人間で言えば赤ちゃんのようなもの。まだまだ抵抗力がないので、用土に雑菌が潜んでいると、腐ってしまうことも。だから“taremechan様”のおっしゃるように、庭土を使うのは避けましょう。一般的には清潔で肥料の入っていない小粒の赤玉土やバーミキュライトを使います。花ごころの『さし芽種まきの土』のような専用用土なら、さらに安心ですよ。また、“のんのん様”のように、ピート板や連結トレイなども便利ですが、市販のタネまき専用グッズでなくても、透明のイチゴパックや卵のパックなどに穴を開けて土を入れ、まき床に使うという人もいらっしゃいました。透明のパックは、土の乾き具合も確認できるので、水やりのタイミングもつかみやすいのでオススメです。それにしても“jerrify様”の卵の殻を使うというアイデア。卵を上手に割るのが難しそうですが、芽が出た姿はとても可愛らしいでしょうね。
細かいタネのまき方は?
「失敗は数、まきすぎてしまう」(大阪府/まっちゃん様)
「小さい種は種の蒔きすぎに注意が必要」(神奈川県/炎の走者様)
「細かい種の場合は砂に混ぜてから薄くまくようにしています」(東京都/キム様)
「菜の花の種のように小粒の種を薄蒔きするのは案外むずかしい。カンパニュラの様な微粒の種蒔きは更に難しく蒔き方のヒントが欲しい」(兵庫県/櫻場正明様)
ヒマワリなど大粒のタネの場合は「ポットまき(点まき)」、コスモスなど中〜小粒の場合は「すじまき」、ペチュニアなど小〜細粒の場合は「ばらまき」など、タネの大きさによって、まき方にはいろいろなパターンがありますよね。中でも小さいタネは、まき過ぎたり、均一にまけないという声が多く聞かれました。“キム様”のおっしゃるように、細かいタネの場合、砂に混ぜてからまくのがオススメです。あらかじめタネの分量の倍の砂に混ぜておき、比較的広いまき床なら、ふるいに入れてまきます。また、イチゴパックなど小さなまき床なら、調味料の瓶に砂とタネを入れてからまくとイイですよ。
間引きに同情は禁物!
「もったいなくて間引きを惜しんで失敗が多いです」(愛知県/マコチャン様)
「初めのうち、間引くのがもったいなくてそのままにしていたら苗が大きくならなかった」(大阪府/りらたま様)
まいたタネをすべて育てるのではなく、丈夫な苗だけを残し、他を抜き取る作業が「間引き」。丈夫な苗を作るために、とても大切な作業だと、みなさんもよくわかっていらっしゃるようですが、いざ行う段階になると「もったいない…」と思ってしまう人も多いようです。でも、同情(?)は禁物!間引きを行わないと、ヒョロヒョロと間延びしたり、葉が重なり合ったり、根がからんでしまいます。間引きのタイミングの目安は、双葉が開き本葉1〜2枚の頃に1回目、本葉が3〜6枚の頃に2回目というような感じ。もちろん播き方や環境によっても込み合い方は違ってくるので、葉が重なり合って株が窮屈そうになったら、株同士がわずかに触れ合う程度まで間引くのが基本です。
若い芽を狙う害虫に注意!
「せっかく芽が出そろって喜んでいたら、一晩でナメクジにやられた。地面には直に置かないようにして、芽が出たらナメクジ退治の薬をすぐにまくようにしています」(滋賀県/種まきばばあ様)
「芽が出てからの害虫駆除が大変ですね」(愛知県/なかちゃん様)
ナメクジはタネまき後の新芽を食べてしまうことがよくあります。せっかく出た芽が一夜にして全滅なんて、悔しくて仕方ありませんよね。近くに来たナメクジを退治するには、ナメクジ駆除剤を散布するのが効果的です。薬を使いたくない場合は、飲み残したビールを近くに置いてみるのもいいですよ。ナメクジはビールが大好きなので、集めて捕殺することができます。但し、放っておくと飲み逃げ!?されるので、必ず処分するようにします。また、バッタやコオロギも発芽したばかりの若い芽が大好物なので要注意!害虫対策でオススメなのは、防虫ネットで覆う方法です。まき床や若い苗を防虫ネットで覆っておけば、外から来る害虫の侵入をある程度防ぐことができますよ。
いつ咲かせるかで、パンジーのまき時は変わる
「パンジーのタネまきを毎年していましたが、なかなか早く咲かせる事が出来なくて、結局苗を買う事に…」(愛知県/ローズ・オプティミスト様)
「パンジーを早く咲かすには、8月中〜下旬に播くと良いが、暑いと、発芽が難しい。出来る限り、涼しいところで播種する事。発芽しても、夏の夕立に注意しないと、雨に打たれ苗がだめになる」(滋賀県/たかぼう様)
「ビオラを年内に咲かせるには、8月中旬にまけばいいそうですが、暑くて管理ができず、いつも10月頃になってしまいます。でも自分でまいた苗は、春から咲くとずいぶん長い間咲いてくれるのでうれしいです」(北海道/ちぇりい様)
秋から春を彩る草花として人気のパンジー・ビオラ。お正月やクリスマスの寄せ植えの材料としてもよく使われますが、タネから育てる場合は、「いつ咲かせるか?」によって、まく時期を調整した方が良いようです。パンジー・ビオラの発芽適温は20℃前後なので、8月下旬から10月頃が適期です。とはいえ、近年のように8月下旬でも残暑が厳しい場合は、夜間の最低温度が25℃を越すことも多く、正常に発芽できないこともあり、気温と相談しながらまき時を見極める必要があります。お正月の寄せ植えに間に合わせたいなら、できるだけ早く、9月上旬頃までにまき、気温が高い場合は冷房の効いた室内で発芽させても良いでしょう。また、春に花を咲かせたいなら、9月中旬〜下旬。“ちぇりぃ様”の場合、10月頃にまいても十分に長く楽しめるようですね。でも、10月以降にまくと、苗が充実する前(小さいうち)に寒さが来て、傷んでしまうことがあります。地域にもよりますが、できれば10月上旬までには、タネまきを終えた方が、元気で大株に育ちますよ。
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