みんなに聞いた『家庭菜園よもやま話』
何よりも経験から学ぶことが大切
「一坪菜園なので、あまり沢山の種類を植えられない事が残念です。初めの頃は欲張ってあれもこれも植えたら、結局ジャングルのようになってしまい、どれもまともに育ちませんでした。今でも、かぼちゃ類はかなり考えて、端の方で邪魔にならない所に植えるようにしています。逆に、キャベツやカリフラワー類はもっと詰めても大丈夫だという事もわかりました。種まきの時期や作付場所を考えながら、ついでに頭の体操もしています(笑)」(大阪府/eriたん様)
「後手後手でやっていくと、後悔しかしません。きちんと適期を守って栽培していくのが一番確実です。私は、前期の反省と注意を野菜別に作ったノートに残し、同じ失敗と後悔をしないようにしています」(千葉県/ゆりぼたん様)
お二人のコメントには本当に脱帽です。“eriたん様”のおっしゃるように、菜園も、花壇と同じようにレイアウトが大事ですよね。育てる野菜がどんな風に生長するのか?そして収穫時期はいつ頃なのか?などを考えながら、植える位置を考えるのって結構難しいけれど、やはり経験が教えてくれるんですね。また、いくら経験を積んでも、忘れてしまったらもったいない!“ゆりぼたん様”のように、「野菜日記」のようなものを作って書き残しておくのは、とても良いことだと思います。なにしろ1年前のことって結構忘れちゃいますからね。
売っているような甘いトマトができない
「マンションのベランダでトマト・ミニトマトを7年育てておりますが、八百屋さんで売っているような甘いトマトがなかなかできません。テレビの園芸講座を見たり、書籍で勉強もし、土にもこだわり、肥料もいろいろな市販の化成肥料・有機肥料をやっておりますが、とても難しいです」(神奈川県/シャイロ様)
「毎年トマトを栽培しているのですが、甘いトマトが出来たことがありません。酸っぱくて皮が硬いトマトしか出来ません…」(大阪府/麻呂まろん様)
今回のアンケートで、最も育てている人が多かったのがトマトでした。でも、甘みが薄かったり、皮が厚かったり、なかなか甘くて美味しいトマトができないという声も意外と多いんですよね。トマトの糖度は品種によっても違うし、肥料や日照など管理方法や環境によっても変わってきます。よく言われるのは、開花後は水やりを控え気味にすると甘い実になるということ。水やりを控え気味にすると、トマトは危機感を感じ(?)、子孫を残そうと必死になり、美味しい実を付けて、早く鳥や動物に食べてもらって、自分のタネをばら撒こうとするとか。ただ、水やりを控え過ぎて枯らしてしまっては元も子もないので注意した方が良さそうですね。また、特にプランター栽培では、芽かきや摘芯、摘果をきちんとした方が、美味しいトマトができる確立がアップしますよ。
にっくき害虫に悪戦苦闘!
「毎年のことであるが、葉物は成功しない。農薬を使うのも抵抗があるので、出来るだけ自然の状態でと考えているが、何も使用しないと虫にやられてしまう。蝶が飛んで来るのは悪いことではないと楽しんでいるのだが、青虫の親だと思うと複雑である」(東京都/小林露美様)
「1匹の青虫を見つけて1匹だからと放置していたら、3日でキャベツが食いつくされました…」(大阪府/しまこ様)
「虫のために野菜を育てていると思うことがあった。害虫にやられてからはネットで防御しています」(千葉県/coba様)
蝶は好きだけど、アオムシの親!!…確かに複雑な気分になりますよね。虫も食べない野菜は、逆に何だか怖い気もしますが、せっかく手塩にかけて育てたのに、虫に食べられたらがっかり…。害虫対策は早期発見・早期対処が基本です。毎日葉や葉の裏、茎などをチェックし、見つけたら早めに取り除きましょう。また、病害虫を防ぐポイントは、丈夫な株に育てることが一番。そのために、日当りの良い場所を選んだり、枯れた葉や雑草を取り除いて風通しを良くしたり、野菜が元気に育つ環境を整えてあげることが大切。でも、どうしても葉菜は春夏には害虫の被害にあいやすいので、秋冬の方が育てやすいですよね。“coba様”のようにあらかじめ予防策をとったり、被害が小さいうちに農薬を正しく使用することを考えても良いかもしれません。
失敗してみてわかることも
「間引きがもったいなくてできなくて、どれも小さい苗のままになってしまう」(千葉県/nanika様)
「今育てている小松菜は去年育てたモノの種で育てていて、すごく愛着があります。葉物は間引いたものも食べられるしお得に感じます」(大阪府/りらたま様)
「トマトを育てた時、長い支柱が無く、半分くらいしか支えられない支柱を使っていた。しっかり根付き大丈夫だと思っていたら、風の強い日に上部の茎が折れてしまった。支柱の大切さを実感しました」(愛知県/おさる様)
タネから育てる場合、間引きはとても大切な作業です。せっかく出た芽を抜くのは、ちょっとかわいそうな気もしますが、小さな株ばかりになってしまったり、込み合ってくると風通しが悪くなり、病気が発生しやすくなります。間引くタイミングは、発芽直後、本葉1〜2枚の頃、本葉3〜4枚の頃の3回ぐらい。葉が触れ合わない程度に生長の悪いものを間引きましょう。“りらたま様”のように間引いた芽は、お味噌汁やサラダにして利用すれば、野菜への罪悪感(?)もなくなります。また、トマト、キュウリ、ナスなど、支柱が必要な野菜もたくさんありますね。トマトやキュウリは、比較的草丈が高くなるので、180cmぐらいの支柱がオススメです。逆にナスやピーマンはそれほど草丈が高くないので、90cmぐらいあれば大丈夫ですよ。
コンパニオンプランツで一石二鳥!
「花壇を利用して、「見せる菜園」=菜園花壇を意識しています。ジャガイモとマリーゴールド、カボチャとナスタチュームのような組み合わせで、道行く人と会話を楽しんでいます」(北海道/JUN様)
「コンパニオンプランツを使うと楽しく長続きできます」(宮城県/てんのまま様)
すっかり定着した感のあるコンパニオンプランツ。互いの生長に良い影響を与え合う植物の組み合わせで、野菜には多くのハーブが使われることが多いですよね。ナスタチウムはアブラムシやアリを寄せつけにくくする効果が期待でき、マリーゴールドはその根の成分を嫌ってセンチュウが寄りつかなくなり、コナジラミも少なくなると言われます。他にもカモミールやバジル、タイムなど、様々なハーブがコンパニオンプランツとして野菜づくりに取り入れることができます。でも、コンパニオンプランツの効果は、野菜の生長を助けるだけではありません。お二人のおっしゃるように、見た目を美しくして、気持ちを楽しくしてくれる効果もあるんですよね。
なるほど!そう言えば野菜づくりって…
「子供を育てるのと似てる。土をほぐして熱湯をかけて消毒。石灰をすき込んでフカフカのベッドづくりをして赤ちゃん(種)を寝かせる。毎日ミルク(水)を飲ませ育ってきたら離乳食(肥料)。あちこち興味がわいても非行に走らぬよう真っ当な導き(支柱)を。よからぬ誘惑の手を防御(害虫や雑草)。反抗期が無く、素直にスクスク育ってくれるところが人間の子育てより楽かも」(神奈川県/ジャスミン様)
「野菜が高いときは我が家の野菜もよくできず、野菜が安いときは我が家の野菜もよくできます。なかなか思い通りにいかないものです。まあ、考えてみれば当たり前のことですが」(埼玉県/TAD様)
野菜づくりと子育て、まさに“ジャスミン様”のおっしゃる通りよく似ていますね。土づくりから日頃の管理まで、子供を育てるように野菜を育てれば、きっと成功しますね。素晴らしい例えです。それに“TAD様”のコメントも、言われてみればそうだけど、気づかなかったという人も多いかも。農家も家庭もお天道様は平等に降り注ぐし、天候不順も平等(?)ってことですね。今年の夏は、6月の日照不足から急な猛暑、雨が少ないと思えば局地的な豪雨…野菜の価格が高騰しましたが、みなさんのおウチの野菜たちはいかがでしたか?
食育という観点から野菜づくり
「息子が小さい時に、苦手だったピーマンを育てたのですが、だんだん大きくなるのを見ていたからか、料理して出した時に「おいしいね」と言って食べていたのが思い出です。その息子も今は高校二年生。ピーマンは大好物となりました」(埼玉県/ひとみ様)
「なるべく農薬をかけないで育てて孫が来た時に収穫させたい」(富山県/花さか様)
「ミニトマトは毎年育てて、孫が保育園から帰ってきて毎日赤くなったのから、ちぎって喜んで食べている」(三重県/いまちゃん様)
みなさん、まさに食育を実践されているんですね!驚くことに、都会に住む子供の中には、野菜はスーパーで作られていると思っている子供もいるそうです。野菜がどのように育つのか、野菜づくりには手間暇がかかる、野菜には旬がある、などなど、野菜づくりを通して学ぶことってたくさんあります。それに、お母さんやおじいちゃん、おばあちゃんが一生懸命育ててくれた野菜なら、なおさら子供たちが感じるものは多いハズ!家庭での野菜づくりは楽しいだけでなく、好き嫌いをなくしたり、食べ物を大切にしたり…いろいろな良い影響を子供たちにもたらすんですね。
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