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旬の園芸レッスン
2020.09.22

性質いろいろ、まき方いろいろ。タイプ 別タネまきテクニック

カタチも大きさも様々な野菜のタネ。その性質もまちまちで、きちんと発芽させて、順調に育てていくには、その特徴を理解して、少しだけ手助けしてあげる必要があります。ここではタネが持つ特徴とその対処法をいくつかご紹介しましょう。

直まきか?苗の移植か?  タネまきの方法は大きく分けて2通りーーーーー菜園やコンテナなど、最初から収穫する場所にタネをまいて、間引きしながら育てる「直まき」と、最初はポリポットや育苗箱などにまいて、苗の状態に仕立ててから植え直す「移植」があります。直まきに向いているのは、直根性(太い根が真っ直ぐに伸びる性質)で、移植を嫌うダイコンやニンジン、ゴボウなどの根菜類、栽培期間の短いホウレンソウやコマツナなどの葉菜類。その他の野菜はどちらの方法でもOKですが、手間はかかるけれど移植の方が育てやすい場合もあります。移植には次のようなメリットがあります。 ①最もか弱い幼少期を、温度管理された室内などで管理でき、害虫や悪天候の被害も抑えられる。
②苗の状態にまで大きくなれば、雑草にも負けない体力が付き、順調に育つことが多い。
③苗の植え付けからのスタートだから、畑での栽培期間が短く、限られたスペースをムダなく使える。 spacer 光が好き?暗いのが好き?  タネには発芽に光が必要な好光性種子(こうこうせいしゅし)と、光に当たると発芽しにくくなる嫌光性種子(けんこうせいしゅし)があります。好光性種子には、レタス、キャベツ、ニンジン、コマツナ、カブ、シソなどがあり、ダイコン、ネギ、ナス、トマトなど、小〜中粒または大粒のタネの多くは嫌光性種子になります。このどちらの性質に属するかで、タネまき後、覆土をするかどうかが決まります。好光性種子の場合は、覆土はせず(または薄く土をかける程度)、嫌光性種子の場合は、タネの直径の2〜3倍の深さに植えるのが一般的です。また、すべてのタネは、発芽するまで乾燥させないのが鉄則ですが、土をかけず露出状態の好光性種子は特に乾燥しやすいので注意が必要です。タネまき前には、あらかじめ用土を湿らせておき、水やりの時には、微細なタネが流れてしまわないように、鉢皿に水を張り底面給水で水やりを行いましょう。 spacer 乾燥防止に濡れ新聞紙を被せるのは、あり?  タネまき後は、発芽するまでは土を乾かさないのが鉄則です。一度水を吸収して発芽の準備を始めたタネを再び乾燥させてしまうと、発芽不良になってしまうこともあります。特に、土の表面は風が吹いても簡単に乾いてしまうため、乾燥防止のため濡れた新聞紙を被せておくのは効果的。常に新聞紙が濡れているように、乾く前に上からやさしく水やりをしましょう。
 但し好光性種子の場合、光が当たらなくなって発芽率が下がってしまうので、新聞紙で覆うのは絶対NG。濡れ新聞紙が有効なのは、嫌光性種子に限ります。また、発芽後は徒長してしまうので、新聞紙の取り忘れに注意! spacer まく時期は、タネ袋の記載通りに  タネにはそれぞれ発芽に適した温度があります。タネ袋には必ずこの発芽適温が記載されているので、それに従うのが基本です。この発芽適温を無視してタネまきをすると、芽が出る時期がバラバラだったり、全く出ない!なんてことも。逆に適温でまけば70%以上は発芽するといわれます。とはいえ、気温予想がつきにくい近年、秋まきを計画していても、残暑が厳しく、なかなか適温まで下がらない!でも、タネまきが遅れれば、冬に向かって気温がどんどん低くなる時期なので、順調に育たない!というジレンマに悩むことに…。例えば、ホウレンソウやレタスの発芽適温は15〜20℃ぐらいで、高温の環境下では休眠状態に入ってしまい、なかなか発芽しません。だから、暑い時期にタネまきをする場合は、半日ぐらい水に浸け、湿った布で包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室など低温の場所で保管し、白い根が出始めたらまく「芽出しまき」という方法をとると良いでしょう。また、気温が上がらないと発芽しにくいオクラなどの場合、半日ぐらい水に浸して湿った布に包んでポリ袋などに入れた後、今度は逆に、気温30℃ぐらいの暖かい場所に1〜2日置いて根を出させるようにします。 spacer ケチっても、まき過ぎてもNG! まいたタネをすべて育てるのではなく、良い苗だけを残して他を抜き取る作業が間引きです。もったいないとか面倒臭いからと、間引きを行わないでいると、順調に育ちません。大粒のタネの場合、一つの穴に2〜3粒まいて、発芽したら1本だけ残せば良いのですが、小さなタネの場合、葉が互いに触れ合いそうになったら間引き、さらに生長して葉が触れ合ったら間引くという作業を、本葉が出始めるまで数回に分けて繰り返します。どうせ間引くなら最初から少なめにタネをまけば良いのでは?と思うかもしれませんが、それは大間違い!すべてのタネが丈夫に育つわけではないし、苗は間引くことで丈夫になっていくのです。また、ある程度の湿度を保つことで乾燥から守る役割も。とは言っても、小さなスペースなのに、余るぐらいなら一袋全部まいてしまえと、大盤振舞いもダメ。葉が重なり合ったり、根が絡み合ったり…間引き作業がとんでもないことに…。あくまでもスペースに合わせた適正量をまきましょう。 spacer タネ袋には、品種の情報が盛り沢山  市販のタネは、様々なメーカーから販売されていますが、あの小さなタネ袋には、種苗法で表示が義務付けられた基本情報や、その品種に合った栽培方法がコンパクトにまとめられているので、必ずチェック!また、全てまき終わっても、収穫するまではタネ袋は大事に保管しておきましょう。

生産地
国内産は都道府県名、外国産は国名を記載。(供給の安定や品質向上のために、日本の原種を使って海外で委託生産するケースも多く、年々外国産が増えている)

発芽率
野菜の種類によって基準発芽率が定められており、市販のタネはその基準に合格したものだけが出回る。(ニンジン55%、シュンギク50%など、基準発芽率が低めのものもある)

有効期限
発芽検定試験の日から1年間が有効期限。(上記の発芽率が保証できる期限という意味で、期限切れだから発芽しないというわけではない)

発芽適温・生育適温
発芽適温とは、タネの発芽に適した温度、生育適温とは野菜が最も育ちやすい温度のこと。(これらの温度を保てない場合は、芽出しまきやトンネルなどの温度調整を行う)

栽培例・作型例
冷涼地、一般地、暖地と、地域の環境の条件に合わせた、おおよそのタネまきどきや収穫期が記されている。(但し、同じ地域でも日照条件などで差が出るので参考程度に)

※他に、タネの量、交配種かどうか、加工処理の方法など、様々な情報が記載されています。


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