ウリ科植物は、夏の空間づくりにもぴったり!
ウリ科の植物の魅力は、何と言ってもバラエティーに富んだ実!それに、つる性だから、いろいろな仕立て方で立体的な空間を作ることができ、夏の風景を思い思いに描くことができます。ここではそんなウリ科の植物を2つご紹介します。
大正時代に日本の鹿児島に伝わったことから、「薩摩隼人」から「ハヤトウリ」と名付けられたとか。洋ナシのようにぽってりとした実は白色と緑色があり、大きな葉がわさわさと茂るので、緑のカーテンにもオススメ。
苗や種からではなく、種イモのように種ウリを直に土に植え付けます(5月頃)。別名「千成ウリ」と言われる通り、1株でも大量の実がとれるので、家庭で育てるなら大型プランターに1株で十分(植え過ぎに注意!)。
数本の親づるが出てきたら、1番太い茎を1本だけ残し、親づるの葉が6〜7枚になったら摘芯して子づるを伸ばし、さらに子づるが1mぐらい伸びたら摘芯して孫づるを伸ばし、その都度誘引しながら仕立てましょう。
ひょうきんな(?)形を見ると、思わず笑ってしまうヒョウタンの実。ヒョウタンというと、中央がくびれた形を想像するけれど、まん丸だったり、首が長〜いもの、実のサイズも長さ7cmから2m!を超えるものまで様々。
でも、初めて育てるなら、小さな実を鈴なりにつけ育てやすい「千成ひょうたん」がオススメです。パーゴラのような棚に仕立てると、夕方に咲く白い花や可愛い実を眺められる夏の憩いのスペースに。実は親づるよりも子づる、孫づるによく付くので、親づるが棚の頂点に届くまではわき芽はかき取り、頂上に届いたら親づるの先端を摘芯して、子づるを出させます。さらに、子づるが6節ほど伸びたら摘芯して、孫づるの出させるようにするのがポイントです。
ウリ科植物Q&A
Q)人工受粉の際、雌花と雄花の見分け方はわかるの?
A)ウリ科の植物の花はどれも似ていますが、雌花と雄花の見分け方は意外に簡単です。雌花の付け根にはすでに小さな実らしきものが付いています。先に雄花が咲き始めることが多いので、「雌花がない?」と思うかもしれませんが、しばらくすれば雌花もちゃんと咲き始めるので、毎日よく観察しましょう。
Q)メロンの実に新聞紙を被せるのは何のため?
A)ネットメロンの網目は、内部が肥大して、表皮が耐えられずに亀裂が入ることで模様になります。この網目ができ始める時期の果実は傷つきやすく、葉が触れただけでも擦り傷ができ、網目模様が汚くなってしまいます。そのため新聞紙を被せて保護してあげるのです。日焼け防止にもなります。
Q)発生しやすい病気は何?
A)梅雨の時期に注意したいのは「つる枯病」で、茎や葉、果実の表面がざらざらになって小さな黒い点々ができ、ひどい場合は枯れてしまうことも。特に茎の地際部に多く見られます。ウリ科の連作が原因だったり、泥はねが原因になることもあるので、水やりもできるだけ株元にかからないようにしましょう。梅雨時から発生しやすくなります。他に、気温が高くなるにつれ多く発生するのが、葉が粉をかぶったように白くなる「うどんこ病」。できるだけ日当りと風通しを良くして予防しましょう。
編集後記
今号のテーマを決める時の社内での会話——-スタッフ(以下ス)「メロン特集は?」私「え?畑がないと無理では?」ス「それが鉢で育ててみたら、すっごく甘いメロンができたのよ!」私「へぇ~!どうやって鉢で育てるの?」ス「支柱に這わせるんだけど、うちはバラ用のオベリスクを使ったよ。収穫前は雨に当たらないように傘さしたりして(笑)」——多少手はかかりますが、それ以上に味は格別とのこと。皆さんも一度チャレンジしてみてはいかがですか?(菅原)