七草(ななくさ)とは、人日の節句(1月7日)の朝に、七種の野菜が入った粥を食べる風習のこと。
しかし、本来「七草」と書いた場合は秋の七草を言うようで、正月七日の節句の場合は「七種」と書いて「ななくさ」と読むそうだ。
他には「若菜の節(せち)」とも言われます。
この日に過去の一年の厄払いと、これからの一年の無病息災を願って七草粥を食べると言う風習で、今に言われる七草の粥を食べると言うのは江戸時代に固まって広まったようです。
「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、ずすしろ これぞ七草」
これらは昔から普通に生えている雑草で、特に民間薬として使われていた薬草でもあります。
と言う事で、最近ではスーパーに行くと『七草かゆセット』なるものが売っていますが、そんな物にお金を払うのはバカバカしいと思うので、私は毎年近くの田んぼへ七草摘みに行きます(笑
芹
せり
貧血、便秘の薬草。
セリには良く似ている物に「ドクゼリ」があります。
ドクゼリはセリに比べ大柄の草体で、筍状の地下茎があるので根まで掘り返せば見分けがつきます。
万一ドクゼリを誤って食べた場合
呼吸困難、嘔吐、下痢、意識障害から死に至る事もあります。
致死量は50ミリグラム/キロと言われますが、5グラムの摂取でも死に至るケースもあるらしく大変危険ですので、十分に気を付けてください。
七草の中で他は多少間違えても害はないですが、セリだけには気をつけて下さい。
薺
なずな
所謂「ペンペン草」です。
種が三味線のバチに似ているからでしょうが、これの遊び方を知っていると、ちゃんと「ペンペン」鳴るから名前には納得させられます。
とんでも無い荒れ地を「ペンペン草もはえねぇ土地」…なんて言ったりもするから、何処にでも生えている雑草です。
しかし、昔から民間薬として止血、貧血、血圧降下、便秘の解消等に効果があるとされているのです。
御行
ごぎょう(ハハコグサ)
ハハコクサに似たもので、よく間違えるのが写真右側の「(ウラジロ)チチコグサ」
この時期は白い毛におおわれているので見分けは付くと思います。
ハハコグサには解熱、風邪の予防に効果があるとされています。
繁縷
はこべら(ハコベ)
完全なる民間薬。
ミネラル豊富で昔からよく利用されている薬草。
ウサギが好んで食べる雑草ですね(笑
ただ最近は見つけるのにちょっと苦労するので、七草粥セットにはこれに似たもので、ウシハコベやノミノフスマ等で嵩増ししてあるようです。
仏の座
ほとけのざ(コオニタビラコ)
さて、ホトケノザですが、現在一般に言われているのは写真右側のシソ科のホトケノザ。
嘗てはコオニタビラコをホトケノザと言っていたが、同種の植物との分類の過程で、元々のホトケノザの名をシソ科のこの草に渡したようです。食っても害は無いと思いますが、よく間違えられている事が多いですね。
因みにコオニタビラコは特に薬効は確認されていません。強いて言えば食物繊維が豊富な事くらいでしょうか?
さて、問題は…
菘(なずな・カブ)は無くて
蘿蔔(スズシロ・ダイコン)は他所の畑。
そうなんです、カブとダイコンだけは畑にしかないんです。
で、流石に畑の作物を勝手に採るのは犯罪になるので…
毎年五草粥になってしまいます(笑
でも、五種でも去年は全く病気知らず。
風邪で会社を休むことなく一年を過ごす事が出来ました。
実は古い言い伝えも、よくよく調べれば実に合理的に考えられていたりします。
そもそも七草粥は年末年始の酒宴やお節料理にて、疲れた胃腸を休める意味合いもあり、強ち無下に出来ない所もあります。
皆さんも図鑑片手に近所の田んぼや河川敷の土手等へ、自らの足で摘みに行ってみては如何でしょうか?
そうやって作った料理もまた格別な味がすると思います。
※ドクゼリにだけは十分に気を付けてください。
万が一気分が悪くなった場合は、直ちに病院へ行き医師に七草粥の食用を伝えてください。
GD部スタッフ:Y
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