スミレ、菫、寿美礼
春になると都会でもアチコチで見られる様になる花です。
スミレは世界に500種程あると言われていますが、その内日本には基本種で50種類以上自生していると言われています。
世界のスミレの実に一割が、日本に自生していると言う事です。
しかも、スミレと言う植物は変異が多く、地域による地域変種、亜種、品種等も加えると・・・
300種類を超えるとも言われています。
そんなこんなで実は日本
「スミレ大国」
と言われているんです。
■基本種のスミレ
そんなスミレ大国の日本では、街中でも少し歩いてみるだけで数種類のスミレを直ぐに見つける事が出来る筈です。
■ノジスミレ
基本種のスミレによく似ていますが、葉っぱの形状の違いで見分けられます。
■アリアケスミレ
アリアケスミレも街中でよく見られます。
基本種のスミレの白花青筋入り。
アリアケスミレも強健でアスファルトの隙間からでもガンガン生えてきます。
都市部で見られるスミレには他に
ヒメスミレ、コスミレ等があります。
で、ここから下は街中でも見られますが、主に野山で良く見られるスミレ
■タチツボスミレ
野山で良く見られるスミレです。
よく「スミレ」と言うと基本種のスミレでは無くて、こちらのタチツボスミレの事を指す人もいる程、野山では本当に良く見られるスミレです。
このスミレは群生していると本当に綺麗なんですよね~。
■フモトスミレ
こちらは低山地にちょっとに入ると良く見られるスミレ。
写真のも若干葉っぱに斑が入っていますが、基本は個の斑が入っていない物で、斑が入っていると「フイリフモトスミレ」となります。
こんな感じで地域や環境により、葉っぱの色や形まで固定されていると、亜種となり種類もどんどん増えて行くのです。
■シハイスミレ
こちらも山に入るとみられるスミレ。
葉っぱの裏が紫色をしているので、紫背菫と言い・・・
■マキノスミレ
シハイスミレの亜種になる物にはマキノスミレがあります。
シハイスミレとよく似ていますが、こちらはシハイスミレよりも葉っぱが若干細く、縦に立ち上がり、花後に葉の裏の紫色が消えると言う違いがあります。
■ニョイスミレ
別名「ツボスミレ」と言われるスミレです。
若干湿った場所によく咲いているスミレでもあります。
身近な花のスミレは万葉集の中に数種詠われており
「山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ この春の雨に 盛りなりけり」
このスミレはそのまま「ツボスミレ」を指すのか?
はてまた、野辺に咲きたるなら先の「タチツボスミレ」の事を指すのか?
春の雨に盛りになるならもしかしたら、この「ツボスミレ」の事を指すとも考えられます。
こんな事を考察するのも中々面白いのです。
■キスミレ
スミレと言うと赤紫から青紫と言うイメージが強いですが、黄色いスミレもあります。
関東や日本海側等では「オオバキスミレ」と言うのがあるのですが、純粋な「キスミレ」と言うのは富士山周辺や九州の熊本等の火山地帯に極地分布していて、絶滅危惧種に指定されています。
九州の熊本では野焼の風習がキスミレの生育を助けているところもあり、このスミレが群生している姿は圧巻です(まだ肉眼で見た事ないですが・・・)
実は愛知県にも極一部で自生しているところがあり、写真はそこのキスミレを撮った物で非常に珍しい個体です。
てな事で、もっともっと色々な種類のスミレもあるのですが、ここでは割愛します。
春先にちょっと街や山を歩くだけで、直ぐに数種類のスミレを見つける事が出来る非常に身近な植物で、やもすれば雑草扱いされてしまうスミレですが、その世界はかなり奥が深いのです。
他の植物もそうですが、植物の種類が解り始めると、街歩きも山歩きも数倍楽しくなると思います。
スミレの場合は嵌り出すとかなりヤバいですが(笑
さて、今年もそろそろスミレハンター始動です!
GD部スタッフ:Y
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