こんにちは!
先日、私どもガーデンデザイン部が植栽工事等に普段使っている堆肥について、その製造現場を見に行ってきました。
とある山の中に工場はあるのですが・・・滅茶苦茶広いです。
堆肥の山です。
工場内にはこんな堆肥の山が幾つも連なり、山脈を作っています。(笑
花ごころの堆肥は街路樹などの剪定枝も入っているのですが、いわゆる「廃棄物」では無くて、ちゃんと業者がチップ化した物を原料にしているとの事でした。
てっきり、剪定枝は元より建築廃材等も使っていると思っていたのですが、材のバラつきや異物(釘やプラスチック、ビニール)の混入が多くて、とても製品として堆肥に再利用出来るものでは無いとの事でした。
多少値段が高くても、良い品質の物を作るには必要な選択らしいです。
こうして集められた木質チップに「ふすま粕」や「発酵菌」を混入して、約6カ月程切り返し(撹拌)を繰り返しながら発酵させて行くんだそうです。
ここでも私はてっきり牛糞や豚糞などの家畜糞を使って発酵させていると思っていましたが、それは別に「牛糞堆肥」、「豚糞堆肥」と言うそうですね。(笑
こうして山に積まれた木質チップ。
花ごころの堆肥は熟度を上げる為に、通常の堆肥よりも更に数ヶ月間長く発酵させているとの事でした。
発酵の最盛期には微生物が発する熱で、写真の山からは湯気がもうもうと上がるそうですよ。
こうして何ヶ月も切り替えし発酵させた堆肥は、最終工程として屋根付き・エアレーション設備のあるピットに移動されます。
エアレーションというのは、ピットの底部に穴の空いたパイプが入っていて、そこから空気を流すことで、堆肥の山の中に空気を供給する設備です。
それによって、最終発酵の補助とともに、堆肥の水分が調整されます。
この時に花ごころの品質管理室で堆肥の熟度が社内の規定レベルに達しているか、
完熟しているかのチェックを行い、未熟な堆肥を出さないように検査をしています。
ここで、未熟な堆肥を使った場合にどうなるか?
未熟な堆肥というのは、有機物がまだまだ発酵し切れず残っている状態の物で、
それを使用すると急激に増殖する微生物が窒素分を奪い、植物を窒素飢餓にしてしまったり、根を痛める物質を出したりしてしまったり、植物にとっては良くない状態の物なのです。
ましてや植えたばかりの植物。この時に根にダメージを与える事は致命的・・・。
袋を開けて「ツンッ!」とした臭いがする場合は使用を避けた方が良いでしょう。
発酵の進んだ堆肥は、よく「森の土」の香りがすると言われています。
ただ、完熟と言っても完全に有機物が分解して発酵が止まった物の事を言うのではなく、土に施しても急激に分解することなく、使用後に緩やかに分解が続く程度に熟したものを言います。
絶妙なバランスで発酵が進んでいる堆肥を「完熟堆肥」と呼んでいます。
こうして水分量もチェックされ出来上がった堆肥は、ほとんど匂いも無くなっています。
いや~~、普段何気なく使っていた堆肥だったのですが、ここまで手間暇かけ、こだわりを持って作られている物とは思ってもいなかったです。
今や植栽工事、土壌改良には必要不可欠なもので、普段何気なく使っていた材料なのですが、植物を元気にイキイキと育てたいと言う想いが、ここまでこだわりを持って堆肥を製造している原動力なのでしょう。
品質管理室のスタッフも、何時も良い製品を作る為に有難うございます。
いや~~、良い体験をさせて頂きました!
GD部スタッフ:Y
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