今回は、マダガスカル原産の多肉植物「ハナキリン」のご紹介です。「木麒麟(もくきりん)」というサボテンに形が似ていて、よく花を咲かせることから「花麒麟(はなきりん)」という名前がついたようですが、別名は「キスミークイック(早くキスして)」というんです。花の形がキスを待つ女性の唇の形に似ているからだそうですよ。
ところが、「きれいな花にはトゲがある」の言葉通り、茎全体がトゲで覆われていますから、扱いには注意して下さい。「ハナキリン」には、赤やピンク、白、黄、オレンジ色などの一重の丸っこい可愛らしい花をつけます。多肉植物ですから、乾燥にとても強く、気温が10℃以上あれば、一年中花を咲かせてくれます。
マダガスカルでは、2メートルにもなる低木ですが、日本の気候では地植えが難しく、主に鉢花として楽しまれています。お店には、花のついた鉢が並びます。お好みの花が咲いているもので、茎がガッシリとしていて、葉の色艶が良いものを選びましょう。
夏の強い日差しにも負けないので、春から夏にかけては戸外で育てられますが、寒さには弱いので、これからの時期は室内の方が安心です。冬も暖かい室内で10℃以上あれば、生長して花を楽しめますが、5℃くらいになると生長が止まってしまいます。できるだけ室内の暖かく、日当たりの良い場所で育てましょう。乾燥には強いですから、水やりは、春~夏で3~4日に1回、秋~冬にかけては1週間に1回でも十分です。水のやり過ぎに注意しましょう。
植え替えは春まで待つ方が安心ですが、すぐに植え替えたい場合は、根を崩さずに優しく扱いましょう。土は専用の「サボテン・多肉植物の土」がオススメです。トゲがあるので、厚手の手袋をして作業を行って下さい。茎や葉が折れると、そこから白い樹液が出てきます。肌の弱い人はかぶれることもあるので、肌についた時は、水で洗い流しましょう。咲き終わった花は、こまめに摘み取るようにして下さい。
来週は、これからの季節、鍋料理に大活躍の「春菊」をご紹介します。お楽しみに。