今回は、澄んだ青色の花と銀色の葉のコントラストがとても美しい植物「トウテイラン」のご紹介です。「トウテイラン」の名前は、中国の「洞庭湖(どうていこ)」の湖面の藍色にちなんでつけられたそうです。藍色の「藍」という字は「らん」とも読むので「トウイテイラン」の名がつきましたが、胡蝶蘭のような蘭の仲間ではなく、「トラノオ」の仲間です。
小さな花が稲穂のように集まって、スラッと上に伸びていきます。花穂の大きさは4~5㎝ほどで、青色の花が下から上へ咲いていきます。茎や葉が白い産毛で覆われていて銀色がかって見えるので、花が咲く前でもシルバーリーフとして人目をひきます。草丈は大体40~50㎝ほどになります。花は初夏から晩秋まで楽しめます。
近畿地方や中国地方の日本海側の海岸などに自生している日本固有の植物ですが、現在は自生地が4か所しかなく絶滅危惧種になっています。自然に増えるのが難しいので絶滅危惧種ではあるのですが、実はとても丈夫で育てやすいのです。冬に地上部が枯れる宿根草ですが、環境があえば、毎年花をつけてくれますよ。
お店では花付きの苗が並ぶ頃です。下の方の葉が黄色くなっていない、元気な株を選びましょう。植え付ける場所は、日当たりから半日陰ですが、半日以上は日光が当たる場所を選んでください。風通しと水はけが良いことも大切です。鉢植えにする場合は、水はけを良くするために、鉢底に必ずゴロ石の「鉢底石」を入れてください。土は栄養たっぷりの「花ちゃん培養土」がおススメです。生長がいいので、鉢植えにした場合は、1~2年に1回ペースで植え替えをしないと、根詰まりを起こして花が咲き難くなるのを覚えておいてください。
水やりは土の表面が乾くのを待って、たっぷりです。土が常に湿った状態を嫌うので、水のやり過ぎに注意しましょう。地植えにした場合は、雨水だけで十分ですが、夏場は晴天が続くとさすがに水不足になるので、様子を見て水やりをしましょう。台風で花が折れてしまうことが多いので、支柱などで支えておくと安心です。
次回は、赤い実が数珠のように連なってなる『ジュズサンゴ』をご紹介します。