今回は、「バラ」を育てる特集の2回目。この時期に行っておきたい「つるバラの剪定と誘引」です。
バラも他の植物と同じように、枝の上の方の芽が最優先されるという性質があるので、そのままにしておくと、上の方しか花が咲きません。つる性のバラは、枝が柔らかいので、水平になるように曲げて誘引すると、水平になった部分の全ての芽が「上の方」と判断されて、花芽がたくさんつきますから、多くの花を楽しめます。普通のバラは、2月頃までに「剪定」という枝を短く切る作業を行いますが、「つるバラ」は、寒くなるとどんどんつるが硬くなって作業がしづらくなるので、12月に、剪定と誘引を行うのがおススメです。
人気品種「ナエマ」のような四季咲きの「つるバラ」や、半つる性で、ラベルに「樹高1.5~1.8m」と書かれているものなら、鉢植えでも「トレリス」という格子状の柵や、「オベリスク」などのらせん状に巻きつけられるものを使って、つるバラ風に仕立てられます。フェンスやアーチには、「ダム・ドゥ・シュノンソー」などの枝が柔らかく花が横向きに咲く品種もステキですよ。
さて、作業ですが、まず、枝がよく見えるように全ての葉をむしります。バラ用の皮手袋をはめて、枝を握って、枝の上から下まで一気に握った手を動かせば葉が取れます。この時、枯れた枝、細く弱々しい枝は元から切り取ります。枝が見やすくなったら、枝の優先順位をつけます。
春から秋までに伸びた、太く長く若い枝ほど「良い枝」です。良い枝を選び、枝先を30~40㎝ほど切り詰めてから、壁面やトレリスなどに、枝を寝かすように誘引しいきます。花を一番楽しみたい位置に、水平になるように曲げて、誘引しますが、全ての枝を誘引するのではなく、程よくです。春に葉が伸びて、混み合ってしまうと、病害虫にも遭いやすくなります。余分だと思う枝は、元からバッサリ切りましょう。
オベリスクなどにらせん状に誘引する時も、できるだけ枝が水平になるように、巻きつけます。短い枝で下の方を埋めればいいので、長い枝を先に、上のほうがうまるように巻きつけるといいですよ。
次回は、クリスマス用アレンジに人気の『ホワイトソルトブッシュ』をご紹介します。