みんなに聞いた『これって正しい?液体肥料の使い方』
液肥はどこにまく?
「葉にかけないようにするのか、根元が効果的なのかわからない」(東京都/ピーチ2様)
「お天気が良い日に使うと、葉に溜まった液肥が蒸発して農薬焼けみたいな感じで葉の色が悪くなっていた」(静岡県/お茶ミカン様)
肥料は株元に与えて、根から吸収させるのが基本で、液肥も同じです。希釈した液肥は、見た目は水と変わらないので、ついつい葉の上からかけても問題ないような気がしますよね。でも、“お茶ミカン様”のおっしゃるように、天気の良い日や気温が高い日は、すぐに水分が蒸発して、濃度の高い液肥だけが残留し、葉や花にシミが出たり、傷んでしまうこともあるので注意しましょう。但し、液体肥料でも葉面散布しても良いと記載されている場合は、葉の上からかけても問題ないでしょう。
与えるのは、水やり前?水やり後?
「雨の時とか、どのくらい蒔けばいいのか、よく理解できてない」(長崎県/平井 修様)
雨の日や雨上がりには、液肥を与えても成分が流れてしまって効果がないので、避けた方がいいですよ。液肥を与えるのは土の表面が乾いている時が効果的。晴れた日でも、水やり後ではなく、水やりの前に与えましょう。
濃いめを少なく?薄めを多く?
「鉢植え1個分に対して、どれだけ作ればいいのかわかりません」(三重県/プク娘様)
「過去に何度もやり過ぎてしまい、失敗しているので、最近は、規定より薄めにして、3~4日に1回やっています。調子が良いです」(神奈川県/シャイロ様)
液肥を作る量は、鉢土全体がまんべんなく湿り、鉢底から少し流れ出るくらいたっぷり用意しておきましょう。“シャイロ様”のおっしゃる通り、液肥は速効性に優れているだけに、与え過ぎは禁物!また、濃い液肥を回数を少なくして与えるのも×。それよりも植物の状態を見ながら、薄い液肥を回数多く与えた方が ◯。また、園芸書などに「薄めの液肥を与える」と書いてある場合は、水の量は変えずに原液の量を減らすようにしましょう(コップ一杯だけ与えるのは×)。
液肥の有効期限は?
「古くなった液体肥料をやるとき、毎回、少しためらう。しかしながら、無機成分は変化しないものと自分に言い聞かせて、使用してしまう」(神奈川県/Nicholas Keiji様)
ご自分を納得させていらっしゃるのですね(笑)。でもご安心ください!おっしゃるように、液肥を含め肥料には有効期限はありません。パッケージに記載されている日付を有効期限だと勘違いしている人も多いですが、あれは製造年月日なんです。ただ、長い間直射日光の当たる場所に置いていたり、キャップをしっかり閉めていなかったりすると、成分が変化することもあるので、保管には注意してください。また、希釈したものは、保管せずに使い切るようにしましょう。
病気の時は逆効果!?
「弱っている時に『点滴みたいなものかな?』と思い使ったのが2度。2度とも持ち直しもせず枯れたので、嫌な思い出」(神奈川県/前田 啓子様)
「肥料が足りないと病気になると聞いて、週1でやっていたら窒素過多になってしまった」(兵庫県/ムーン様)
花ごころの『有機+(プラス)100倍液』のように有機質を含むものもありますが、液肥の多くは化成肥料。化成肥料は有機肥料よりも速効性で、さらに化成肥料の中でも固形肥料より液体肥料の方が速効性です。つまり、それだけ効果が早い分、植物の状態に合わせて適切な時期に適切な使用量を使わないと、逆効果になってしまうこともあります。“ムーン様”の場合、週1回というペースが問題だったのではなく、植物自体が液肥を必要とする生育状況ではなかったのかもしれません。また、“前田様”の ように、植物が弱っている時は、速効性の肥料は逆効果です。人間は病気の時に点滴で栄養を補うことがありますが、液肥は弱っている植物には刺激が強過ぎま す。肥料を与える前に、水不足や根詰まりを起こしていないか?栽培環境は合っているかどうか?など、まず生育不良の原因 を探ってみましょう。
花前の肥料で、バラを美しく
「鉢でバラを育てていた頃は、咲く直前に与えると発色がよくて、長持ちしたのことに感動したのを記憶しています」(愛知県/yukapon様)
バラの肥料やりには、いろいろな考え方がありますが、蕾が色づく頃に窒素成分が残っていると、蕾が固いまま開かなかったり、奇形の花になってしまうことがあります。ですから、基本的には蕾ができ最初の花が終わるまでは、肥料は与えません。“yukapon様”の場合、液肥を規定の希釈率よりもさらに薄めて、活力液のようにしてお使いになったのでは?それならば、与える時期を選ばない花ごころの『バラの活力液』もオススメです。スプレータイプなので、とっても扱いやすいですよ。
ちょっと変わった使い方。葉面散布
「植物の葉っぱに直接かけるとすぐに効き目があります。追肥に使っています」(三重県/松本佐奈惠様)
「家庭菜園や山野草の鉢植えに使っています。葉っぱにかけたほうが根元にかけるより効率良さそうに感じます」(埼玉県/丹沢 隆様)
前 にも少し触れましたが、液肥のちょっと変わった使い方に「葉面散布」があります。これは、液肥を霧吹きなどで葉っぱ(特に葉の裏側)に吹きつける方法 で、極端に土壌の乾燥が進んでいたり、肥料やけで根が傷んでいる時などに効果があります。葉に直接かけるので、規定量よりもさらに倍以上に薄めた方が安 心です。でも、葉面散布を上手に行うには、気温や気候などに注意が必要なので、あまりオススメしません。基本的に、肥料は株元に与えて根から吸収させる方 が良いので、普段から適切な管理をして葉面散布しなくても良い状態に育てるのが理想です。
大切なのは、植物の状態を見ること
「ガーデニング始めた頃は、肥料のあげ方も、今思えばでたらめな希釈であげてたりしていたけど、今は週に一度きちんとキャップで量って上手にできるようになったと思います。植物達を毎日見ていたらだんだんわかるようになりました」(沖縄県/ひーちゃま様)
同じ育て方をしたからって、同じように育つ訳じゃないのは人間も同じ。ガーデニングって、これが正しい!というものはないんですよね。だからこそ“ひー ちゃま様”のように、毎日の観察が大切で、植物の日々の変化を見ているうちに、植物が何をどのくらい欲しているか、少しずつわかってくるんですよね。ちなみに、液肥は植物の種類や生育ステージなどに合わせて、希釈濃度を変えられる点が便利。植物の日々の変化に応じて、きめ細かな施肥管理ができるところが液 肥の利点なのかもしれません。
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