近年ますます人気の多肉植物。その多彩で独特なフォルムは、まるで小さなオブジェのよう。でも、忘れないで!多肉植物は生き物=私たちが「育てる」対象であることを!今回は多肉植物のプロに、最適な管理について教えていただきました。目からウロコ!な事実も!
これって植物?と疑うほど不思議な姿をしたものも多い多肉植物(サキュレント)。近頃は<SNS映え>する植物としても大人気。そのせいか生き物を育てるという意識に欠けている人や、間違った情報に惑わされる人も。 そもそも多肉植物というのは、乾燥に耐えるために、葉や茎、根などが肥大し貯水できる仕組みをもった植物の総称で、アフリカ大陸やアメリカ大陸などの乾燥地帯をはじめ、南極以外の世界中に自生しています(もちろん日本にも!)。分類の仕方もいろいろあるだけに、その種類はケタ外れの多さ。中でも人気が高く入手しやすい多肉植物としては、色彩豊かでぷっくりとした葉が可愛い「セダム属」、長く茎を伸ばしながら先端にロゼット状の葉を展開する「アエオニウム属」、葉が連なってこんもりと成長するなど多様な草姿がある「クラッスラ属」、まるでバラの花のような葉が印象的な「エケベリア属」などなど、個性的で魅力的な種類が盛り沢山!コレクターになるほどハマる人が多いのもうなずけます。 「多肉植物は手がかからない植物だと思われているけれど、それは大間違い。水やりにしても日当たりにしても、どうして欲しいのか、植物はちゃんとサインを出しています。それを見極めて育てるのが大事」とおっしゃるのは、日本を代表する多肉植物の生産者で、今回最適な管理方法を教えてくれる上田泰さん。深い知識と鋭い観察眼に裏打ちされたプロ中のプロのメソッドは、納得の連続です!
ルブラ
(エケベリア属)
やや細めの葉は夏場でも先端は赤く、秋冬になると赤色の範囲が広がる
エボニー
(エケベリア属)
品種名は黒檀の意。葉の葉の縁に入る褐色のラインが個性的できれい
虹の玉
(セダム属)
赤くて艶やか、ぷっくりとしたゼリービーンズのような葉が可愛い
火祭り
(クラッスラ属)
秋冬の紅葉の美しさはピカイチで、まるで赤い花のよう
サキュレントマスター
吉坂包装株式会社
代表取締役 上田 泰 先生
エケベリアの取扱品種数はトップクラス。日本を代表する多肉植物の生産者であり、その豊富な知識で多肉植物に関連するイベントや講習会を精力的に行い、その魅力を国内外に発信。さらに、固まる土「ネルソル」の開発・商品化により、多肉植物の寄せ植えをより身近な楽しみ方として広めた。現在の多肉ブームの仕掛け人ともいうべき存在。