あなたなら、どのタイプ? 性質や形状の違う、5つのグループ
ラベンダーはシソ科の常緑性小低木で、その語源は「洗う」を意味するlavareというラテン語だと言われています。
これは古代ローマ人が、ラベンダーの 花を風呂や衣類の香りづけに利用していたことに由来するとか。
現在でも、入浴剤や芳香剤には必ず<ラベンダーの香り>があるように、数あるハーブの中で も、その清潔感溢れる甘い香りは、日本人にとって最もポピュラーな香りと言えますよね。
ちなみに日本に伝わったのは19世紀初頭ですが、カラッとした気候の地中海沿岸地方生まれのラベンダーは、高温多湿の日本の夏に合わず、なかなか広まらなかったそうです。
でも、今では改良が進み交配種など多彩な品種が出 回るようになり、北海道だけでなく、様々な地域で栽培されるようになりました。
一口にラベンダーと言っても、種類によって、見た目だけでなく、耐寒性・耐 暑性も異なります。
これからラベンダーを育ててみようという人は、まず栽培環境に合った種類を選ぶことが大切。
ラベンダーは代表的なグループでは5つに分けられます。
(1)アングスティフォリア系
別名イングリッシュラベンダー。
葉の幅が細く、香料の原料に最もよく使われるほど、香りの良い花穂が特徴。
花色は薄紫、濃紫、ピンク、白など…。最もポピュラーで魅力的な種類で、北海道 ではよく栽培されています。でも、耐寒性はあるけれど、高温多湿の日本の夏は苦手。暖地では鉢植えで環境を変えながら育てたり、地植えでは3~5年の寿命 と割り切って楽しむのが良いかも。
【代表品種】
ヒッドコート
オカムラサキ
ナナ・アルバ
マンステッド
(2)ラバンディン系
素晴らしい芳香のアングスティフォリア系と、耐暑性があって丈夫な原種ラベンダー‘スパイクラベンダー’を交配させた系統で、両者のメリットを受け継いで います。
大きな花穂と美しい花色、そして生長も早く大株に育つので見映えもGOOD!高温多湿や病気にも強いので、日本の暖地でも育てやすく、ガーデンの アクセントにもぴったり。タネができないのでさし木でふやします。
【代表品種】
スーパーセビリアンブルー
グロッソ
アルバ
(3)デンタータ系
デンタータとはラテン語で「歯のような」という意味で、細かい産毛に覆われた葉には、歯のように見えるギザギザの切れ込みが入ります。
別名をフリンジドラ ベンダーともいい、花穂の先端に薄紫色のフリンジのような苞葉があるのも特徴。この苞葉は個体変異で花色が変わることが多く、ユニークな花色が出たら、さ し木で殖やしてみるのも楽しい。暑さには強いけれど、寒さがやや苦手です。四季咲き性があり、屋外では4月下旬~6月、11~12月の年2回花を楽しめま す。
【代表品種】
デンタータラベンダー
リンダ・リゴン
スーパーサファイアブルー
(4)ストエカス系
丸みのある花穂の先端に、ウサギの耳のような苞葉(ほうよう)と呼ばれる部分があるのが特徴で、この可愛らしいルックスと魅力的な甘い香りから観賞用として大人気。
花色は紫の他、赤、白、黄色など。耐暑性が強いので暖地向き。逆に冷涼地では防寒対策が必要な場合も。次々と花を咲かせ開花期が長いのも特徴。
【代表品種】
キューレッド
アボンビュー
エンジェル
ヘルムスデール