「鉢の置場所は、できるだけ日当たりの良い屋外。パンジー・ビオラは寒さに強く、多少の霜や雪にも耐えるので、シーズン通して屋外で育てます。また、できれば直接土やコンクリートの上に置かず、台の上などに置くのがイイと思います。そうすれば、ナメクジなどの害虫の侵入も防げるし、地面からの冬の寒さもダイレクトに伝わりません。」
「水やりは土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。水やりのついでに行っているのは、均等に日が当たるように、たまに鉢を回してあげること。花は日光に向かって咲くので、こうすればどの角度から見ても丸くて形の良い株になります。」
動画で様々な実験を紹介しているやっちゃん。パンジー・ビオラの鉢で行ったある実験では、定説通り「土の表面が乾いたらたっぷり与える」と、常識破りの「毎日欠かさず水やりを続ける」を、同じ条件下で行ったそう…。結果は何と!毎日水やりを続けた方が、よく育ったそうです!園芸の常識を覆すようなこの事実。原因ははっきりわかりませんが、『花ちゃん培養土』という良い土を使っているうえ、水はけを良くする赤玉土を加えているため、毎日水やりしても根腐れせず、肥料も毎日溶け出した結果、大きく育ったのではないかと、やっちゃんは分析しています。だから園芸って面白い!とは言え、初心者さんは「基本の水やり」が安心ですね。
「肥料は切らさないことが一番大切ですが、特に神経質になることなく、市販の肥料を書いてある通りに規定量を守り、定期的に与えているだけです。株を大きくしたいからと、規定量より多く与えたり、回数を増やしたり、他の肥料を余分に与えることはしません。また、質の良い培養土は肥料成分を保つ力があるので、肥料切れしにくくなります。肥料やりにおいても、土が大きな鍵を握っていると思います。」
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「咲き終わってしおれた花を摘み取ることを<花がら摘み>と言います。花がら摘みは、花を長く楽しみ、株を大きく育てるために、とても大切な作業。花がらを放っておくと、やがて中にタネができます。植物は花を咲かせるためにはそれほどエネルギーは使わないけれど、タネを作り成熟させるまでには相当なエネルギーを消費します。だから、花がら摘みはできるだけ早くやってあげた方が、株の消耗を防ぐことができます。でも、毎日必死にやると疲れてしまうので、水やりのついでに気がついたら、できる範囲内でやるぐらいで気楽に行っています。でも、花がら摘みを行うか行わないかで、花を楽しめる期間が1カ月ぐらい違ってくるので、ぜひ行ってもらいたい作業には違いないですね。」
切り戻しとは、伸びた茎を切って、新しいわき芽を伸ばさせ、再び花を咲かせる作業。パンジー・ビオラでは、春まで長く楽しむために2月下旬〜3月初旬に切り戻しを行うケースが多いですが、やっちゃんは、切り戻しは“やらない派”なんだそう。と言うのは、切り戻してから返り咲くまでには3週間ぐらいかかります。近年は春になると一気に気温が上昇することが多く、パンジー・ビオラは20℃ぐらいになると成長が鈍ります。だから、たとえ切り戻しても、返り咲く前にダメになってしまうことも多いそうなんです。春になれば、続々とキレイな花の苗が登場します。いつまでもパンジー・ビオラだけにこだわらず、新たに春のお花を楽しむ方がいいのでは?というのが、やっちゃんからのアドバイス。あえて切り戻しはせず、花を長く楽しんで、春のお花と交替するのもイイですよね。
花ごころINFORMATION
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土に混ぜて使う基本肥料
「元肥そだちBB」
- 土に混ぜて使う、根に触れても安心な小粒のIB肥料です。
- 植物が必要とする養分が生長に合わせて溶け出します。
- 植え付け直後から、4ヶ月間ゆっくりと効きます。
- 花付きと実付きを良くするリン酸成分を多く含む肥料です。
編集後記
昨年の秋、社内企画で「『花ちゃん培養土』を使って、やっちゃんオススメのビオラ栽培にチャレンジしよう」という取り組みが行われ、私も自宅のベランダで挑戦しました。その結果、自分史上最高のビオラを育てることができ、植え付け時期を守ることや、こまめな花がら摘みの大切さを実感しました。今回やっちゃんさんに改めてお話を聞き、栽培する中で生じた疑問なども解消できたので、昨年以上の“もりもりビオラ”を目指し、今年の秋もチャレンジしたいと思います!皆さんもぜひ、本誌を参考に育ててみてはいかがでしょう。(菅原)
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