みんなに聞いた『液体肥料は、こう使いこなす!』
液体肥料のメリットは?
花ごころの『有機+(プラス)100倍液』のように有機質を含む液肥もありますが、液体肥料の多くは化成肥料です。有機肥料よりも化成肥料は速効性がありますが、同じ化成肥料でも、固形よりも液体肥料の方がさらに速効性があります。この「速効性」が一番のメリットだと感じている人が最も多くいらっしゃいました。また、液肥の多くはどんな植物にも使える汎用性肥料。さらに少量で大量の希釈液が作れるため、コスト的にもたくさんの鉢植えを育てている人にも向いています。また、植物の状態に合わせて希釈濃度を変えられるところに魅力を感じている人も。「濃い方が効きそうな気がして、希釈濃度を少し変えたら逆に弱ってしまいました。やっぱり表記の通りにするのが大事ですね」(三重県/ののうめ様)というコメントもありましたが、本来は表記通りの希釈が効果的ですが、そうしない場合は、濃くするのではなく、薄めに作るようにすれば失敗は少なくなりますよ。
希釈はどうしてる?
液体肥料には、水で薄めてから使うタイプとそのまま使うタイプがありますが、みなさんは正しく希釈しているのかと言うと…「適当に薄めている」という人と「きちんと量っている」という人が五分五分ぐらいでした。液体肥料に限らず、どの肥料も決められた量を守ることが大切です。液体肥料の場合、水で薄めるという作業が少々面倒だったり、難しいと思う人が多いようです。1000倍に薄めて使う液体肥料の場合、5リットルの水に対し5ccの液体肥料を加えます。5ccと言うと小さじ1杯。とっても少量ですが、対して変わらないだろうと10cc入れてしまうと500倍液になり2倍の濃度になってしまいます。寸分の狂いもなく!とまではいかないまでも、ある程度正確に量るようにしましょう。
希釈に便利な道具は?
「いつも2リットルのペットボトルを使って希釈しています。液体肥料を2cc入れて、水をペットボトルに入れれば1000倍になりますし、そのままお花に与えられます」(北海道/さなちー様)
「5リットル位の半透明容器に液肥のキャップ1杯に対する倍率になる部分に印をつけています」(千葉県/渡辺康之様)
みなさんが液体肥料の希釈に便利なグッズとしてあげられたのは、ペットボトルや牛乳パック、料理用の計量スプーンや計量カップ、目盛付きのバケツ、ピペットなどでした。液体肥料の商品には、キャップに目盛が付いていてそのまま計量カップとして使用できるものもありますが、そうでない場合は、“渡辺様”のように、キャップ一杯がだいたい何ccになるかを、あらかじめ量っておくと便利ですよね。
与えるのは、水やりの前と後のどっち?
液体肥料を与えるタイミングは、水やり前か後か?迷ったことはありませんか? アンケートでは特に決めていないという人が多かったのですが、厳密に言えば、正解は水やり前です。なぜなら、水やり後だと、液体肥料を与えても成分が流れてしまいます。液体肥料は土の表面が乾いている時に与えるのが効果的です。また、「雨の後に液肥を与えると鉢の中の土全体にうまく行き渡る気がしてます」(大阪府/みき様)というコメントもいただきましたが、もともと液体肥料を水で薄めるのは土全体に行き渡らせるため。だから、雨の日や雨上がりでは、水やり後と同じで、成分が流れてしまうので避けた方が良いですよ。
どんな時に液肥をよく使う?
みなさんは液肥をどんな時によく使っていらっしゃるのでしょうか?最も多かったのは「(植物が)元気がないと感じた時」という回答でした。でも、実は…植物が弱っている時に与えると、逆効果になることもあるのです。液肥は病気を直す薬ではありません。速効性がある分、病気の身体には刺激が強過ぎることも…。植物が元気がないと感じたら、肥料を与えるのではなく、まずは、水の過不足や根詰まり、日照不足など、生育環境が適しているかどうかを疑ってみましょう。また、「定期的に使用している」「生長が鈍いと感じた時」に液肥を与えるという人も多くいらっしゃいました。植物は休眠期には養分を吸収しないので、この時期に与え続けると肥料やけの心配がありますが、養分を吸収する生育期なら、定期的に使用したり、生長に勢いを付ける意味で施すのは正解です。
どのくらい準備する?余ったらどうする?
「どのくらいの液肥を準備すれば良いのかわかりません。いつも大量に作り過ぎて余ってしまうので、少しもったいないのかも」(三重県/リッキー様)
「別の観葉植物で使っていて中途半端に少量が余って保管するのも面倒だし、かといって捨ててしまうのももったいなかったので、同じ室内で育てている多肉植物に使用したら赤く変色してしまった」(兵庫県/ひかり様)
水で薄めるタイプの液肥は、最初にどのくらいの量を準備したらいいのか、ちょっと迷いますよね。基本的には、鉢の中の土にまんべんなく沁み渡り、鉢底から少し流れ出るくらいの量を準備しておくのが良いでしょう。液体肥料には、有効期限はありません。直射日光の当たらない場所で、キャップをしっかりと締めて保管するようにしましょう。但し、いちいち希釈するのが面倒だからと、作り置きするのはやめましょう。水で薄めた状態で放っておくと、藻が繁殖してしまうことがあります。ところで、“ひかり様”は多肉植物に液肥を与えたようですね。多肉植物はもともと肥料がなくても育つ植物。与えるとしても速効性の液肥は不向きです。赤く変色したのは根腐れが原因かも…。
液肥はどこに与えるのがイイ?
「料理で使う計量スプーンは使いやすく効果的であったと感じます。普段はなるべく根元(土)にかけるようにしているのですが,葉物の育ちをよくしようと葉にかけてしまうと弱りました(1000倍希釈)。当たり前ですがきちんと根から吸わせるように使用すべきです」(京都府/白河夜船様)
液肥に限らず、肥料は株元に与えるのが基本です。固形肥料の場合、根に直接触れないように注意しますが、速効性の液肥の場合は、根に触れるとすぐに効き始めます。水やりのように葉の上から与えてしまうと、水分が蒸発した後に、肥料成分だけが葉に残り、葉にシミができたりすることも…。液肥の中には、葉面散布して良いと記されているものもありますが、それ以外の場合は、必ず根元に与えるようにしましょう。
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