今回は、ちょっと聞き慣れない名前の植物「ティランジア」です。
少し前から話題になっている「エアープランツ」と呼ばれている物は、ほとんどが、この「ティランジア」の仲間です。土を必要としないので、自生地のブラジルやメキシコの山間部では、樹木にへばりついて生息します。土ではなく、雨を受けて葉から水分を吸収して育つ植物なんです。他の植物にはない独特のフォルムと質感が、老若男女問わず人気です。
中でも人気品種は、全体的に白みがかった葉が、開花時に葉先を赤く染める「イオナンタ」。花がつきやすく、育てやすいので初心者向けです。ラテン語でメデューサの頭を意味する「カプトメデューサエ」は、くねらせるように葉が伸び、紫色の花を咲かせます。
白に近い葉を下に伸ばして垂れ下がるように生長する「ウスネオイデス」は、どんな場所にも引っ掛けるだけで、立体的に演出できます。カールしたシルバーリーフが花のような形を作る「キセログラフィカ」は、存在感があって、まさに置物のようです。転がしておけるからと、最近は雑貨店でもよく見かけるようになりましたが、どこにでも放っておいていいわけではないんです。薄暗い室内では日光不足になってしまいますから、室内なら明るく風通しの良い窓際に置き、時々、戸外の木陰で日光浴をさせて下さい。ただ、30度以上の高温多湿は苦手なので、戸外や高温になる室内は避けて、エアコンの効いた室内のほうが安心です。
水やりは必要ないと思っている人もいるようですが、葉についた水分を吸収するので、2~3日に1回は、霧吹きなどで株全体を濡らして下さい。葉が固く枯れたようになってしまったら、水不足です。バケツの水に一晩つけると元気になります。その後は、株をよく振って、しっかり水切りをしましょう。置き場所と水やりさえ気を付ければ、カゴやガラスの器に入れたり、そのまま置いたり、吊るしたりして、気軽に楽しめますよ。
来週は、小さな玉ねぎ「ホーム玉ねぎ」をご紹介します。